ペットショップの闇。大量生産された子犬・子猫の残酷な現実
市場規模が1兆5000億円を上回る、大規模な日本のペット産業。基盤となっているのが、子犬や子猫を扱うペットショップだが、その裏には「動物=商品」と見なす、残酷な現実が隠されている。ショーケースの中にいる動物たちに何が起きているのか?
ペットショップに並ぶ子犬や子猫は、どこからやってくるのか。公益社団法人「日本動物福祉協会」の町屋奈(ない)氏によれば「日本の場合、ペットオークションを介して繁殖業者から犬猫を仕入れるのが主流です」という。その過程でまず注目すべき“闇”は繁殖業者(ブリーダー)だ。
「『この種が欲しい』という個々の需要に合わせて一匹ごとに愛情を込めて繁殖させるのが、本来の繁殖業のあり方です。しかし現実には『パピーミル(子犬生産工場)』と呼ばれるような、利益最優先で無秩序に大量繁殖を行う、悪質な繁殖業者が暗躍しています。
ひどい業者では、親犬や親猫を“産む道具”のように扱っています。種類を区別することもなく狭い部屋で密飼いにして、皮膚病や白内障などになっても放置している。劣悪な衛生状態のもと、体を洗ってもらえず、爪も伸び放題。発情サイクルのたびに何度も繁殖を強いられて、子供を産めなくなると捨てられるといったケースもあります」
大量生産された子犬や子猫は、ひと月ほどでペットオークションに出品され、入札にかけられる。公益財団法人動物環境・福祉協会Evaの松井久美子事務局長は、「この流通システムにも問題がある」と指摘する。
「オークションに出品するため、子犬や子猫は離乳時期に引き離されることになります。それは子犬や子猫のコミュニケーションを学ぶ機会を失い、後に問題行動に繫がります。また早期に母親から離れた動物は、伝染性疾患にも罹りやすく下痢もしやすくなります」
町屋氏は「オークションの存在が、無秩序な繁殖業者を生み出している」と語る。
「オークションに出せば、ショップが大量に買ってくれる。需要は考えず、無計画に大量繁殖させればお金になる。オークションのそうしたメリットが、悪質な繁殖業者がなくならない大きな要因になっています」
ショーケースの子犬や子猫を見たら「その子の生まれた環境を想像してほしい」と町屋氏は言う。
「親犬の愛情を受けて幸せに育ってきた子などほとんどいません。過酷な生産工場でつくられ、搬入されてきた子ばかりです」
子犬や子猫が、工業製品のように生産されている。それが、ペット流通の現実なのだ。
⇒「ハーバー・ビジネス・オンライン」にて続報中
取材・文/柳沢敬法 写真/大房千夏 谷口真梨子 日本動物福祉協会
※週刊SPA!11月12日発売号の特集「ストップ! ペット店頭販売」より
まるで工業製品のように大量生産される子犬や子猫
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