更新日:2023年03月21日 15:54
デジタル

英語力は不要になる? AI翻訳機の進化を追ってみた

イヤホン兼用の製品も

 以上の理由から、もはやAIテクノロジーと翻訳機は切っても切り離せない関係になっている。その上で、翻訳精度だけでなくデザイン設計のスリムさにも力を入れた製品が登場している。国内クラウドファンディング「Makuake」にこのほど出展された『Aibuds』は、イヤホン型の翻訳機である。
Aibuds

イヤホン型の『Aibuds』※画像は、クラウドファンディングサイト「Makuake」より

 市販されている翻訳機のほとんどはスティック型。それをイヤホンにして大丈夫なのか? という不安もあるだろう。だが、Aibudsはスマホアプリを使う製品だから問題ない。普段はBluetooth接続のワイヤレスイヤホンとして使用し、いざとなれば相手に片方を渡して耳にはめ、お互いの母国語で会話をすればいい。スマホアプリでは文字表示もしてくれる仕組みになっている。  対応言語数は36。先述のポケトークよりは数が少ないものの、やはりイヤホン兼用の設計が注目されているようだ。

AIが信用できないなら…人間が同時通訳する翻訳機

 しかし、中にはこんな人もいるのではないか? 「AIなんぞ信用できん!」  ならば、本物の人間に翻訳させればいい。クラウドファンディング「Kickstarter」に登場した『ONE Mini』は、スティック型のAI翻訳機。対応言語は12。上の2製品に比べたら、その機能はだいぶ劣っている……と結論付けるのは早計だ。
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オペレーターが同時通訳してくれる『ONE Mini』※画像は、クラウドファンディングサイト「Kickstarter」より

 このONE Miniは、人間のスタッフが運営するオペレーションセンターを用意している。これに接続すれば、オペレーターが会話を同時通訳してくれるのだ。利用料金は1分2ドル(約220円)。  ヘッドホンジャックも搭載され、イヤホンと組み合わせれば音楽プレーヤーにもなるONE Mini。どうやらAI翻訳機も、多機能化の道を進んでいるようだ。「翻訳しかできない翻訳機」は、近いうちに陳腐化してしまうかもしれない。携帯電話がそうだったように。今後、誰しもがAI翻訳機をポケットに忍ばせている光景も現実のものになりそうだ。<文/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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