更新日:2023年03月21日 16:12
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まるで本物の肌、美少女フィギュアに釘付け…進化する模型作り最前線

東海道五十三次が立体化

 さて、以上に挙げた製品はプラスチック製である。 静岡 「プラスチック製品の確立で、より精巧かつ部品点数の多い模型を製造できるようになった」と先述したが、実のところ木製模型も年を追うごとに精巧になっている。これはレーザーを使った切り出し加工が進化したことによる。  静岡県静岡市に本社を置くウッディジョーは、日本を代表する木製模型メーカー。城や寺社仏閣などの歴史的建造物を模型化することでも知られている。  中には「いくらなんでもマニアック過ぎるぞ!」と絶叫したくなるようなものも。その代表例が、『東海道五十三次シリーズ』。歌川広重の浮世絵を木製模型で立体化しようという、なかなか通な試みである。 静岡 そのシリーズの製品で先行発表されたのは、東海道の35番目の宿場である御油宿。現在の愛知県豊川市に位置するが、東海道と本坂通の合流点でもあったため旅籠が多く、しかも次の宿場が近距離にあったから、旅籠同士の競争が激しかった。客引きが道行く旅人の首根っこを掴まえて、無理やり旅籠へ宿泊させていたほどである。 静岡 この様子が広重の浮世絵に描かれているが、それを立体化したウッディジョーの製品は古き良き江戸時代を再現しているかのようだ。この御油宿の価格は4800円(税別)。ウッディジョーの製品の中では、特に組み立て難易度の低い製品でもある。  ――知れば知るほど奥深い模型の世界。この趣味は人間を虜にする魔力に満ちている。<取材・文・撮影/澤田真一>
ノンフィクション作家、Webライター。1984年10月11日生。東南アジア経済情報、最新テクノロジー、ガジェット関連記事を各メディアで執筆。ブログ『たまには澤田もエンターテイナー
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