ネットで稼ぐのは悪だった…20年前から“文字だけサイト”を続けるカリスマたち
インターネット黎明期、毒々しいまでに偏執的活字の暴威でユーザーの心を掴んで離さなかったテキストサイト。栄華は短くも、ネット上に鮮やかな爪痕を残したものだ。才気溢れるその管理人たちとともに、懐かしのネットの足跡を振り返ろう。かつてネット上で一世を風靡し、開設から20年以上たった今も更新を続けるテキストサイト界のカリスマが集結。ネット界の源流、現在のSNS文化の基盤をつくった彼らのマインドを聞いた。
<テキストサイト界のカリスマ>
●林雄司氏(48歳)「webやぎの目」管理人
’96年「webやぎの目」を開設し、月間200万PVを記録。現在も更新中。その中のコンテンツ「死ぬかと思った」は書籍化された。現在はWebサイト「デイリーポータルZ」の編集長を務める
●ゴトウ氏(48歳)「一流ホームページ」管理人
’99年に「一流ホームページ」を開設し、現在も時々更新中。アニメと妄想で構成されている稀有なサイト。現在はリアル謎解きゲーム制作会社に勤める傍ら、ライター業もこなしている
●ワタナベ氏(43歳)「ろじっくぱらだいす」管理人
’99年にを開設以後、ほぼ毎日更新中。同名の書籍も出版した。ゲームやPC関連の内容からスクール水着や制服、エロアンケートにまで迷走し話題に。昨年からはブログ形式に移行
林:僕がテキストサイトを始めた動機は、「俺はいつも面白いことを言っているからそれを残したい」というエゴでした(笑)。
ワタナベ(以下、ワ):僕は、パソコンの中古屋で働いていたんですよ。今はオタクの認知度も上がっているけれど当時は風当たりが強くて。中古屋だからアダルトゲームが多く、それを売り買いしている感じがすごく面白いので「この様子を残したいな」と思ったのがキッカケですね。
ゴトウ(以下、ゴ):僕はオタクの妄想日記「ヘキサゴン」に触発された。大勢が閲覧していたので、だったらその中で絶対出会いがあるだろうと思って「非モテ脱出」の動機で始めました。結果から言うと、一日5000人来てもダメでした(笑)。
ワ:当時はHTMLの技術が必要だったから、ホームページを作っていたのはパソコンオタクが多かった。それがゲームとかオモシロ語録なんかに広がっていったと思うから、そもそも女子は少ないでしょ(笑)。
林:僕はネットの新しいサービスが好きなので、テキサイを続けながらも、とにかく何でもいきますね。微博もTikTokもやってます。だからもちろん、mixiにもすぐいったし、Twitterもやってますよ。
ワ:最近のSNSで最も馴染みやすいのはTwitter。“こっち側”という感じ。
林:言いっ放しの感じがね(笑)。
ゴ:書く動機は同じのまま、書く場所を変えた。でも当時テキサイをやっていた人は、Twitterでも面白いことを書きたがる。
林:ちょっと盛るよね(笑)。
20年間現役! カリスマ管理人たちが語るテキストサイト今昔
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