ひろゆきが考える「“インターネットの嘘”を見抜ける人になる方法」
先の衆議院選挙でも多くの真偽不明の偽情報や誹謗中傷がインターネットに飛び交った。こうしたインターネットの負の面があるからこそ、インターネットに子どもを触れさせたくないと思う親は多い。しかし、子育て&教育論本『僕が親ならこう育てるね』を上梓したひろゆき氏は、だからと言ってインターネットから子どもを遠ざけるのは愚の骨頂と説く。その真意は?
――インターネット上には真偽不明な情報がたくさんあります。ひろゆきさんはそういった誤情報と、どのように折り合いをつけていますか?
ひろゆき:最近はわからないことがあると、すぐにインターネットで調べますよね。打ち合わせ中に目の前の人が言っていることが正しいかどうかは、その場でネットを使って調べたほうが早い場合もあります。しかし、ネットで調べた内容がすべて正しいかと言われると微妙で、誤情報の場合もたくさんあります。
インターネット上にはフェイクニュースも多く出回っていて、大人が騙されたりもしています。記憶に新しいところでも血液クレンジングや水素水も科学的根拠の極めて薄い情報なのに、著名人が推奨していたという理由で踊らされている人がいるわけです。しかも、誰しもが気軽に情報発信できるツイッターやインスタグラムなどのSNSで、情報が自動的に流れてくるから厄介ですよね。
その昔、僕は2ちゃんねるを「噓を噓であると見抜ける人でないと難しい」と言ったことがありました。それは、2ちゃんねるに限った話ではありません。
――子供にインターネットを使わせる際、フェイクニュースなど誤情報の存在が悪影響を及ぼすんじゃないかと危惧する親は少なくありません。
ひろゆき:大人でもインターネットの噓の見抜き方がわからない人がいるのに、子どもに噓の見抜き方を教えるのは無理な話です。学歴のない親が無理やり子どもに受験勉強をさせても、勉強が嫌いになるだけで学力が身につかないのと同じ。
僕が親ならフェイクニュースの真贋を見抜く以前に、ネット上の情報を疑って見られるように、「ネットは情報を適当に載せることができる場所が数多く存在する」ことを体験させます。
たとえば、掲示板に「アイスクリームをたくさん食べるとウンコが出なくなる」という、明らかに噓とわかる情報を子どもの目の前で書き込みます。
そして、「ネット上には適当な噓を書き込めるし、同じことを誰でもできてしまうんだよ」と教えつつ、子どもと一緒にアイスクリームをたくさん食べてみるでしょう。すると、子どもはフェイクニュースがあることを身をもって学びながら、お腹を壊してトイレへ行くと思うのです。
「噓を噓であると見抜ける人でないと難しい」の真意
「大人もできないこと」を子どもに教えるのは無理な話
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西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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