更新日:2023年04月13日 01:37
カーライフ

中古ベンツを50万円かけて整備するのは正解なのか?

50万円かけて整備しなくても十分乗れたW140を追加整備した理由

 W140を預けたあと、私は工場で代車を借り家路についたのですが、その時気づいたことがありました。それは、良い状態のメルセデス・ベンツは最高だということです。  その工場では、古いメルセデス・ベンツの代車を貸してくれたのですが、これがとても良かったのです。  この良さは、文章では表現できないのですが、一言でいえば、「経験したことのない良さ」。三本和彦さんが、W202型Cクラスに対し「惚れ惚れする」といっていましたが、そういった感覚がまさにわかったという感じです。

整備工場で下回りを見せてもらったが、オイル漏れやサビはなし。ただ、ゴムパーツの多くがダメになっていた

 1週間後、車検から戻ってきたW140に乗り込んだ私は、以前よりかなり良くなった自分のクルマに感激しました。しかし、W140に乗っていても、代車のことが忘れられません。自分のクルマは、整備前より良くなっているものの、代車ほど良いと感じなかったのです。  そこで、W140の車検整備の際、交換したほうがいいが後回しにできる部分には、手を付けてもらわなかったのですが、そういった箇所にもすべて手を入れれば、あの代車並に凄いクルマになるのではないかと思い、車検整備から1か月も経たないうちに、私は再度W140を整備に出すことを決意。その時の整備では、問題があると診断された部分にすべてに手を入れてもらい、結果的に22万円ほど整備費用を払いました。

きちんと整備された140だと遠くに出かけるのも安心である

 こうして、私がW140を購入してから整備に費やした額は、車検法定費用を除いて50万円以上という金額に到達。ちなみに整備した内容は、以下です。 ・アキュームレーター交換 ・ロアアームブッシュ交換 ・リアボールジョイント ・ステアリングギアボックスのオイル漏れ修理 ・プラグ交換 ・リア左右窓レギュレーター ・ウォーターポンプ交換 ・コンパニオンプレート交換 ・エンジンマウント交換 ・ミッションマウント交換 ・アライメント調整  整備にお金を費やしても、クルマの評価額は変わらないため、これまで整備にお金を使うのはイヤだと思っていた私ですが、この50万円という整備費用は、まったく別のベクトルだと感じました。もちろん、私のW140も、50万円分の整備費用をかけたからといって、査定の金額が10万円も上がるわけではないでしょう。しかし、それでも、この乗り味に対して、50万円という価値があると思うわけです。

整備に出す前と後では、乗り味がガラッと変わった

 仮に整備に50万円ほど費やしたとしても、90年代のベンツは、中古価格がそれほど高いわけでないため、結果的には他の多くのクルマと比べて、「総額で馬鹿みたいに高い費用を使った」というわけでもありません。  近い将来、電気自動車が主流になってしまうかもしれません。そうすると、この時代のベンツを乗る難易度は、今よりはるかに上がるでしょう。そういった意味では、80年代、90年代ベンツは今こそ乗り時だ、旬である、と私は思うのです。だから、そこに少しお金をかけてみたことに後悔はしていないのです。
1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう

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