あおり運転・宮崎容疑者の“人間性”と、“ガラケー女”への依存心…精神科医に聞く
「降りてこい。殺すぞ!」―――茨城県内の常磐自動車道であおり運転の末、会社員男性を殴り怪我をさせた疑いで、8月18日に逮捕された宮崎文夫容疑者(43)。
また、同乗していた“ガラケー女”こと喜本奈津子容疑者(51)も宮崎容疑者を自宅にかくまったとして逮捕されている。
今回の事件は、被害男性のドライブレコーダーに宮崎容疑者の悪質な言動がばっちりと録画されており、さらに、過去の悪行も次々と報道された。「こんなに粗暴な人間がいるのか?」と驚きの声が挙がっている。
8月21日発売の『週刊文春』によると、宮崎容疑者は裕福な家庭に育ち、超名門・大阪府立天王寺高校、関西学院大学を卒業。その後、日本一給料が高いと言われる「キーエンス」に入社するも営業成績はビリ。しかし「俺はビッグになる」と言い残し、1年も経たずに退社したそうだ。
結婚歴もあったが妻に暴力を振るい失明させ離婚した、約10年前に女の子を監禁して逮捕された、と同誌は報じている。
また、昨年3月にはタクシー運転手を車内に監禁し、逮捕されている。
今回のあおり運転の悪質性は報道の通りだが、過去に起こした事件も凄まじく、「根っからのワル」感がひしひしと伝わってくる。一体、この男はどのような人間なのだろうか。精神科医の春日武彦氏に話を聞いた。
「おそらく、『悪』という文脈では読み解けないと思います(結果的には悪そのものですが)。あえて宮崎容疑者を名づけるとすれば、『思い上がったチープなナルシスト』といったところではないでしょうか」(春日氏、以下同)
粗暴な言動には、「オレ様気質」が影響しているのではないかと、春日氏は話す。
「あおり運転は、『イケてるオレを邪魔する愚民どもに制裁を加えてやる』といったノリではなかったかと思われます。飲食店で4時間クレームをつけたことがあると報道されていますが、それもおそらく『オレ様にふさわしからぬ対応をしやがって』といった怒りだったのではと推測します」
「詳細な成育史などがわからない現状ですが、もともとナルシスト傾向は強かったのでは。しかもあのキーエンスで営業を行って全く売れなかった――このあたりでものすごく自尊心が傷ついたのではと想像します。『ビッグになる』なんて噴飯モノのセリフを残して退社したあたりで、心の歯止めが外れたのかもしれません。
親の遺産はいくぶんあっても、ビッグとは程遠い。でも自分で自分をゴマかし、自分をプチ・セレブ、カッコイイ男と思い込み、さらには周囲を憎み、見下すことで心のバランスをとっていたのでしょうね」
宮崎容疑者のナルシスト具合は、彼のSNSなどを見てもよく分かる。ポルシェ・カイエンや、ルイ・ヴィトン、ホテルでキメキメの写真などを自慢げに投稿している。やはりどこかで「自分を認めてもらいたい欲求」があったのだろう。
そして、宮崎容疑者のパートナーだったのが、8歳年上の喜本容疑者。今年、出会い系サイトで知り合ったと報じられている。
春日氏は、実は彼女の方が闇が深かったのではと分析する。
「喜本容疑者は、宮崎容疑者のいじましい自己愛を認めてくれる唯一の女性だったのでしょう。だから恋人であると同時に母親的なトーンもあったに違いないと感じました。
宮崎容疑者が逮捕されるとき、『喜本さん、手つないで!手つないで!』と悲痛な声を上げたのも、そんな経緯があったからなのではないかと思います。そういった意味では、宮崎容疑者は、実は彼女に“あおられ”振り回されていたのかもしれません。暗黒度では、喜本容疑者のほうがはるかに深そうな気がしますね」
精神科医から見た、宮崎容疑者の粗暴さとは
キーエンスで挫折感?喜本容疑者への依存もうかがえる
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