更新日:2019年08月26日 15:19
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上昇中の高級腕時計相場でロレックスが値下がり傾向。その理由は?

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  ここ数年、高級腕時計は全体的に上昇傾向となっており、特にロレックスではそのような傾向が目立っていました。特に2019年に入ってからは、現行世代に該当するモデルの上昇が目立ち、過去最高値ともいえるほどの相場となっていたモノが多数存在するほどでした。

斉藤由貴生

 しかし、そんなロレックスが今、なんと値下がり傾向になっているのです。  2016年冬以降、ロレックスは基本的に上昇傾向となっていたため、現在のように「値下がり傾向」となるのは約3年ぶりのこと。これまで目立って上昇していただけに、このような下落傾向となったのはインパクトがあることだと思います。  ということで今回は、腕時計投資家の私が、最近の下落傾向について解説させていただこうと思います。

高級腕時計市場のこれまでの様子

 ロレックスの人気モデルは、2008年のリーマンショック後に下落傾向となり、その後2012年頃まで安い時代が続いていました。値上がりに転じたのは、アベノミクスがきっかけだといえるのですが、実際2012年冬ごろから私は「値上がり傾向になった」と感じていました。  それからロレックスは全体的に上昇傾向となり、2013年より2014年のほうが高く、2014年より2015年のほうが高いという状況となったのです。  しかし、2016年には、そういった値上がり傾向に歯止めがかかってしまいました。特に夏頃からロレックスの人気モデルを中心に値下がり傾向となり、2015年よりも安い相場のモデルが目立ったのです。  2013年から3年以上も上昇傾向となっていただけに、当時の印象としては、今後腕時計は値下がり傾向になるのではという不安を感じていた方が多かったように感じます。ピークは過ぎたという感覚になっていたのでしょう。

ロレックスサブマリーナ16610LV

 その後2016年の年末になると、当時値下がり傾向となっていた腕時計相場は反発。2017年からはそれまで以上に派手な上昇傾向となり、アベノミクスをきっかけとする上昇時より、もっと値動きするようになったといえます。  アベノミクス以降、ロレックスの多くが値上がりしましたが、その際の値動きでは、「数ヶ月で10万円以上の上昇」といったことは珍しい現象でした。しかし、2017年以降ではそういった値動きをするモデルが増え、比較的マニアックなモデルですらそれに該当するようになったのです。  2017年以降、派手な上昇傾向となっていたわけですから、それ以前の腕時計事情を知る方にとっては前代未聞の事態だと感じたかもしれません。  まして2019年上半期には、2017年を上回るほどの上昇傾向となり、さらにすごい状況となっていたわけです。  ですから、そういった様子の中で値下がり傾向に転じるというのは、「何が起こったのだ」と不思議な気持ちになってしまっても仕方がないといえます。
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下落しているロレックスのモデルは?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

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