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オタクからアイドル事務所社長になった男の野望「業界を守っていかなきゃと思っている」

無実の罪で借金苦に

 アイドルオタクでありながら集客力のあるイベンター。そんな彼の姿に地元メディアが注目し、取材の話が舞い込んでくることもあった。年間100本以上のライブイベントをプロデュースしているうちに名古屋の某テレビ局から「テレビ番組でアイドルを1から作るからコンサルとして入ってくれないか」という誘いを受ける。 取材中のへなぎ氏「当時、大阪での集客は間違いなくトップでしたし、できることはほぼやりきっていたので、名古屋に行くのも面白いと思い、移住を決めました。番組内でオーディションをしてアイドルを集めようと決まった時に日本橋で一緒にイベントをやっていた多くの子達がそれに合わせて名古屋に引っ越して来てしまって、日本橋の地下アイドルシーンが完全に衰退してしまう事件も起きましたね。日本橋には今でも僕のことを恨んでいる人は多いと思います」  テレビという影響力、そしてブームの影響もあり、立ち上げたグループは順風満帆。新天地となった名古屋での生活も楽しんでいたが、突如担当していたアイドル事務所の解散が決定。理由はへなぎ氏を引き抜いてきたプロデューサーが、とある罪で裁判沙汰になったことだった。事務所に所属する子達を路頭に迷わせるわけにもいかず、給料を払うために彼自身が借金をすることも。 「プロデューサーや大人の問題で番組が終了するのって、アイドルの子たちには正直関係ないじゃないですか。大人のせいでアイドルを目指そうとしている子達が夢半ばで諦めなきゃいけないという現実を目の当たりにしていく中で、せめて自分の周りの子達だけでも安心して活動を続けられるようにしてあげたいと思い始めるようになりました」  その後、後の『トイプラ』となる事務所『TOY Planet*』を名古屋に設立。タレント1名、へなぎ氏を含めたスタッフ2名という少人数での立ち上げだった。  意外にも1からアイドルグループを作るのは初めてになるわけだが、何故もっと早く作ろうとしてこなかったのか。 「人の人生を簡単に背負えないとずっと思っていたんです。僕一人ならイベンターやコンサルだけで食べていくこともできたんですが、アイドルを目指す子達や周りの人をこれ以上傷つけたくない、守らなきゃ、という想いから自分で事務所を作ろうと決めました」  そんな想いで作ったグループは、今や東海地方ナンバーワンと言われる人気を誇るアイドルグループ、煌めき☆アンフォレント。週刊SPA!ではメンバーの茉井良菜さんが初水着を披露し、話題になった。今でこそZepp名古屋で1200人の動員を記録するなど人気のグループだが、立ち上げ当時はかなり泥臭い活動をしていたという。 「三重のご当地アイドルとしてデビューしたので、まずは地元の人に知ってもらったり、地域振興がしたいと思って、商店街でのビラ配りやライブ、地元のサッカー社会人リーグのチームにノーギャラで同行し、サポーターに混ざってアイドルも一緒に応援したりしていました。活動すればするほど赤字になる状況でだったんですがものすごく楽しんでました(笑)」
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業界を背負い、守っていきたい
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