更新日:2019年10月31日 14:43
エンタメ

オタクからアイドル事務所社長になった男の野望「業界を守っていかなきゃと思っている」

業界を背負い、守っていきたい

 当時はアイドルブーム最盛期、ライブハウスで活動しても人気が出そうなものだが、なぜそんな活動を行おうと思ったの。 「エンタメを応援するってカテゴリが好きな人はどこかで通じるものがあると思っていて、野球だろうがサッカーだろうがアイドルだろうが応援するのが好きな人って、他の何かも応援したがるんですよね。  僕自身、誰かを応援する事は好きだったし、当時のファンの人たちもサッカーの応援をするのは楽しそうだった。自分が提案した活動やイベントに人が集まって楽しんでいることを見るのが何よりも嬉しかったんだと思います」  その地道な活動もあり、煌めき☆アンフォレントは名古屋を中心にファンが急増。国内のみならず、台湾やタイなどのイベントにも呼ばれるようになった。 事務所の代表としてTIFにも参加 1アイドルオタクから有名グループのプロデューサーへ。自身の立場の変化もあり、「業界を見る目が変わった」とへなぎ氏は続ける。 「アイドルグループの運営の人って、アイドル自体を好きじゃない人が圧倒的に多いんですよ。アイドルは即金でカネになりやすいので、軽い気持ちでアイドルのコの人生を預かってる事務所がものすごく多い。僕はアイドルの仕事をする人はアイドルを好きな方が間違いなく良いと思っているし、そうじゃないと市場の分析もファンの人の気持ちにもなれないわけだから発展も成長もできないじゃないですか」  アイドルブームは終わったと世間から言われ、業界自体が過渡期に陥っている昨今、右肩上がりで成長を続ける彼は何を目指しているのか。 「業界を守らなきゃ、背負っていかなきゃいけないと思っています。僕は、僕よりアイドル文化に詳しい業界人はいないと思っていて、アイドルが本気で好きだからこそ、長年オタクをやってきたからこそ出来ることも思いつくことも沢山ある。  今後は海外に日本のアイドルシーンをもっと伝えていきたいし、名古屋や地方にもっと東京の有名なアイドルグループを呼びたい。なかなか満たされない性格なので、日々動き回っていたらすぐ次の目標が出来てしまう。性格上、完全に満たされる事はないんだと思いますけど、そうだからこそやってこれたんだなって思いますね」  小さなライブハウスの30分の1だったオタクから地下アイドル業界を牽引するところまでたどり着いたへなぎ氏。彼のような想いの強い運営がいれば、アイドル業界が再びブームと呼べる勢いを取り戻す日も近いのかもしれない。 〈取材・文/高田彰吾〉
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