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エジプトのミイラが包帯を巻く理由とは? ミイラ43体から読み取る神秘性

エジプトのミイラが包帯を巻く理由は?

エジプトのミイラ

エジプトのミイラ

 ミイラと聞いて日本人の多くがイメージするのが古代エジプトだろう。砂漠地帯であるエジプトは急速に乾燥するためにミイラ化する条件が整いやすい。またミイラといえば全身に包帯がグルグル巻きにされた姿を思い浮かべる人も多いはずだ。これは、樹脂を含ませたリネン製の包帯を巻くことで腐敗を防いでいるのだ。
頭蓋骨

頭蓋骨

祖霊像

祖霊像

ミイラは、権威を永遠に残すためのものでもあるが、生前の姿を偲ばせる姿を留めることで弔意を表した地域もある。オセアニアでは死んだ者の頭蓋骨に、生前の風貌を再現して保管する風習があり、今回はそうした頭蓋骨も見ることができる。また、死者の弔いのために作られた祖霊の像も展示されている。

油断は禁物

 展示室を抜けてグッズ売り場が見えてくる。歴史的意味合いが深いとはいえ、インパクトの強すぎる見た目からやはり緊張状態にあったのだろうか、ここで少しホッとする感覚になる。しかし油断は禁物だ。グッズ売り場の手前にある展示もまた、強烈な姿をしている。ペルーのとある部族がつくった頭部のミイラだ。
ペルー部族

やけに小さい頭部のミイラ

人間の頭部なのに直径20センチほどと、やけに小さい。彼らは敵の首を切り落とした後、皮膚を剥ぎ取りそれを袋状にして頭部を入れる。そこに熱した石を投入。するとこのように頭部が小さくなるのだ。これはその風習の遺物だ。最後に緊張をぶり返させる展示の配置も素晴らしい。  確かに、直感的な感想は「こわい」「気持ち悪い」ではあった。しかし、これらを見て知っていく中で、ミイラが持つ「永遠」という神秘性が立ちのぼってくるのを感じた。<取材・文/Mr.tsubaking 撮影/平川タケシ>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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会期:2019年11月2日(土)~2020年2月24日(月・休)
会場:国立科学博物館(東京・上野公園)
開館時間:午前9時~午後5時(金曜・土曜は午後8時まで)
     11月3日(日・祝)午後8時まで
     11月4日(月・休)午後6時まで
休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は火曜日)と年末年始
    ただし2月17日(月)は開館
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