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森田県知事の“なんもしない”政治スタイル。登庁して3分で帰ることも…

「東京湾アクアライン」の実績も評価できない

 森田県政はすでに3期目に突入している。知事としての実績は「東京湾アクアライン」の通行料を3000円から800円に引き下げたことくらい……などと揶揄する声もあるが、この輝かしいキャリアも「諸手を挙げて評価できる実績ではない」と前出の松崎氏はいう。 「確かに、値下げで通行量は2倍ほどに増え、それなりの経済効果をもたらしました。ただその半面、平日の夕方や週末を中心に渋滞が深刻化しています。日帰りが可能になったことで宿泊客が減り、特に県南の旅館業がダメージを受けている。  そもそも値下げによる85億円の減収分は国と千葉県が負担しており『暫定措置』にすぎない。通行料収入で借金を返済し、全額返し終えると無料になる予定だったが、当初見込んでいた返済期間30年は大幅に延長されることになっている……」  苦境に立たされた森田知事だが、今後、県議会で糾弾されることになるのか? 政治評論家の有馬晴海氏が話す。 「今回の森田知事の行動は法に触れるわけではないので、必ずしも辞職する必要はありません。ただ、しどろもどろの会見で思い起こされるのは、東京都知事選を前に知人と面会したとして、’16年の正月に家族と宿泊していたホテル三日月の宿泊料を政治資金として報告したり、毎週末に神奈川県の湯河原にある『別荘』に公用車で通っていたことが問題になり辞職した舛添要一前都知事のケースです。  今回、森田知事が自分のクルマで『私的視察』したことにこだわるのは、例え、自宅の様子を見にいったにせよ、公用車は使わず自分のクルマに乗り換えたと言いたいからでしょう。舛添氏は、偽証すると刑事罰の対象になる百条委員会が設置される雲行きになり、最後は自ら辞職したが、百条委員会の設置には議会の過半数の同意が必要です。  現在、千葉県議会は定数94のうち、与党の自公で61議席を占めているので、すぐに辞任という流れにはならないのではないか」

知事4選のハードル

 一方、地方の首長選挙は多選している「現職」が強いことでも知られるが、今回の失態で「次は難しい」という見方も出ているようだ。前出の大野氏が話す。 「自民党千葉県連としては、選挙に強く、政策に無知な森田知事は言いなりになってくれるので、使い勝手がいいと考えてきた。だがここにきて、県連が少子化担当相も経験した猪口邦子参院議員の擁立に動いているという噂や、全国最年少の31歳で政令市市長に当選し、現在3期目を務める熊谷俊人千葉市長待望論も浮上しています。  県連も森田知事を次回知事選でゴリ押しすれば火の粉をかぶりかねないと警戒しており、自民党重鎮県議からも『知事はいい加減に謝罪せよ』と怒りの声があがっていることから、知事4選のハードルは相当上がったのではないか」  なんもしないスタイルを貫き、参院1期、衆院2期、知事3期の延べ21年にわたって政治の道を歩んできた森田氏。果たして、4選が控える’21年3月まで続けられるのか? ▼「自宅に帰ったのか?」と質問されなかった  千葉県の森田健作知事は、これまで「富里市内を私的に視察した」とだけ説明していた。7日の定例会見のとき、改めて自宅へ立ち寄った事実を伏せていたことについて問われると、「『自宅に帰ったのか?』という質問は受けていなかった」と抗弁。秘書課も行動を把握しておらず、県の災害対応の杜撰さが浮き彫りとなった格好だ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社> ※週刊SPA!11/12発売号より
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週刊SPA!11/19号(11/12発売)

表紙の人/ 新木優子

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