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ローランドはなぜ“上から目線”なのに支持されるのか? 一般人でも応用可能

誰にでも親近感を与えるテクニック

井上敬一 ホストの同業者のみならず、もともとホストに興味がない人々まで親近感を覚えさせ、夢中に出来るのは一体なぜなのか。井上氏は「目指す山が違うから」だと語る。 「ホストという職業で整形していて王子系。一般の人からしたら、全く違う山の話なんです。格好いいし、稼いでいるし、羨ましいけど……別に自分が目指しているワケじゃない。だから支持されているんだと思います」  井上氏は現在もホストの教育に携わることがあり、そこで「ローランドさんみたいになりたい」という新人ホストも多いというが、安易にマネをしないように指導しているという。 「マネをするな、というより出来ないからヤメろって言いますね。顔や髪型は簡単にマネ出来るかもしれないけど、彼の高度なテクニックは早々にマネできない。  実は、彼は上から目線で発言しているようで、実は下手にまわっているんです。たとえば、ローランドさんって今でこそ美形だけど、『昔はカッコよくなかったから』って整形であることを隠していないし、売れていない時期があったことも隠していない。天才ではないんだ、ちゃんと努力しているんだ、という部分にみんなが共感するんです。また、『自分が妹のことを好き過ぎて彼氏を面接したら妹と関係がギクシャクした』とか、『実はカラオケが上手くない』ことなど、プライベートでの失敗談をたくさん語っています。そこで、ローランドだって弱いんだ、自分だって弱くていいんだ。そして、そんなローランドさんの弱さを知り、自然と応援したくなるんじゃないかな」  井上氏が現役ホストだった時代にカリスマと呼ばれていた人たちにも現在のローランドと共通点があったという。 「僕がテレビに出たいと思ったきっかけは、愛田武社長や零士さん(※共に歌舞伎町の老舗ホストクラブ『愛 本店』で知られる人物)が活躍しているのを見たこと。僕自身もテレビに出れるようになってから、実際にお会いする機会があったんです。  そこで『いつもテレビで見ています』と声を掛けたら、『いや、僕らの方がテレビで君をよく見ているよ。すごいね!』って。この返しには驚きました。ホスト界の超大物なのに、僕に対して下手にまわっている。つまり、昔から好かれる人は本質的に変わっていないんです。人に親近感を覚えさせるのは、自分が勝つということも大切ですが、それ以上に人を勝たせているということですね」
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ローランドのテクニックを応用するには?
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ライター兼底辺グラドルの二足のわらじ。著書に『最底辺グラドルの胸のうち』(イースト・プレス)、『現役底辺グラドルが暴露する グラビアアイドルのぶっちゃけ話』、『現役グラドルがカラダを張って体験してきました』(ともに彩図社)などがある。趣味は飲酒、箱根駅伝、少女漫画。X(旧Twitter):@sally_y0720

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