有馬記念直前スペシャルインタビュー 作家・早見和真×競馬予想家・TARO
平成から令和へ、時代の節目となる’19年を締めくくるのは、やはり有馬記念をおいてほかにない。GⅠで6勝している’18年の年度代表馬アーモンドアイを筆頭に、GⅠ馬11頭という豪華な面々が出走予定であり、「今年の有馬は過去最高の顔ぶれ」との呼び声が高い。
その熱い戦いの行方を占うべく、今回は30年来の競馬ファンである小説家・早見和真氏と、競馬予想家のTARO氏を迎え、予想を語ってもらった。
TARO:今年の有馬は、相撲で言えば横綱、大関、関脇が勢揃いして優勝を争うようなもので、どの馬にも勝つ可能性があると思いますが、早見さんは、ファン投票1位の横綱、アーモンドアイについてどう思いますか。
早見和真(以下、早見):やっぱ競馬は有馬記念がいちばん美しいと信じている、「有馬記念至上主義者」の僕には、このレースを狙って仕上げてきていない馬では勝てないという持論がある。というか、勝ってほしくない。アーモンドアイは12月8日に香港のレースに出る予定でしたが、熱発で回避しての出走ですからね。おそらく切ります。ヒモ(2、3着)ですら買いません。それに、僕は基本的に穴党なんで、一番人気が嫌いなんですよ。
TARO:スカパー!のグリーンチャンネルの番組『競馬場の達人』に、早見さんは出演されてますよね。今年の春の天皇賞ですごい買い方をするところが放送されて、競馬界ではかなり注目を浴びました。
早見:僕、『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮社)という、競馬を舞台にした小説を書いたんですが、執筆にあたって一口馬主を経験したくて、ロードヴァンドールに出資したんです。新馬戦ではボロ負けしたけれども、その後勝ち上がっていくなかで、本当に僕にいろんな景色を見せてくれました。デビューする喜びも、負けた悔しさも、勝つ難しさも。
TARO:その気持ちを、春の天皇賞の馬券に乗せたわけですね。
早見:ロードヴァンドールを軸にして、100万円買いました。本気で4億円を持って帰るつもりで。こういう買い方してるから、ネットで「クズ野郎」って書かれるんでしょうね。結局、12着でしたし。
TARO:そんな根っからの穴党にとっては、アーモンドアイが出走して人気を集めることで、妙味のあるオッズになりますよね。アーモンドアイの適性で言ったら中山競馬場の2500mは距離的にもコース的にもベストとはいい難いですし。ただ、アーモンドアイという馬は、器用なんですよね。フワッと好位置に行けるんで、そこはやっぱり強みですよね。
早見:もちろん強いのは認めます。ロードカナロア産駒のいいところばかり引き継いでる馬ですよね。同じロードカナロア産駒のサートゥルナーリアみたいな危うさもないし。僕の中では、確かに有馬記念って、賢くて器用な馬が勝つイメージがあります。
TARO:そうそう、おっしゃるとおり。だからアーモンドアイは本命にはしませんが、相手にはキッチリ買うつもりです。
早見:う~ん、アーモンドアイ、やっぱりヒモで買っとこうかな……(笑)。そろそろ軸の話にしましょうか。僕は逃げ馬が大好きなので、凱旋門賞帰りのキセキが内枠に入ってくれたら最高です。あと、クロコスミアもこっそり厚く買います。TAROさんはどうですか?
競馬は有馬記念がいちばん美しい
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