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専門家が注目する2020年買いたい馬は? 作家・早見和真×競馬予想家・TAROスペシャル対談

 競馬を舞台にした小説『ザ・ロイヤルファミリー』(新潮社)の著者であり30年来の競馬ファンでもある小説家・早見和真氏と、競馬予想家のTARO氏。この両名を迎え、前回のインタビューでは令和最初の有馬記念について熱く語ってもらった。
作家・早見和真氏 競馬予想家・TARO氏

作家・早見和真氏 競馬予想家・TARO氏

 下馬評では4歳馬のアーモンドアイが単勝1.7倍という断トツ人気だったが、フタを開けてみれば、5歳牝馬のリスグラシューが5馬身差でぶっちぎり、引退レースで有終の美を飾る結果に。同馬をはじめ、有馬記念がラストランとなった引退馬は計6頭もいた。これまでお世話になった馬に感謝しつつも、やはり未来に目を向けねばならないだろう。

2020年に買いたい馬を占う

――お二人の2020年注目馬を伺いたいと思います。 早見和真(以下、早見):僕がロードホースクラブで一口馬主をやっているロードヴァンドールはまだまだ走ってくれると信じていますよ。 TARO:’19年5月の天皇賞(春)で早見さんが100万円突っ込んで負けたっていう、例の馬ですね! 天皇賞では12着でしたが、’19年3月の阪神大賞典、’19年7月の七夕賞共に二桁人気で3着に入って穴をあけてますよね。今年7歳になる古馬なのにすごい。やっぱり、穴で走る馬を持ってるといいですよね。 早見:人気もしないし、毎回しぶとく前に残ってくれる。僕は逃げ馬が好きなんで、ヴァンドールは本当にかわいい馬なんです。TAROさんって、一口馬主はやらないんですか? TARO:僕も10年ほど前にキャロットクラブの一口馬主をやってたことがあったんですが、こっちの方はまったく才能がないみたいで……。いろいろ血統も見て馬をセレクトして投資するんですが、全然走ってくれないんです。それで懲りてやめてたんですが、じつはつい2カ月前ぐらいからまた、久々に始めました。あれから10年経って、今度こそ良い馬を引けるんじゃないかなぁと思って(笑)。 早見:いまの1歳馬? 良い馬はいました? TARO:本当にギリギリのタイミングで、残っていた2歳馬をとりました。父がロードカナロアで、母馬がパーフェクトトリビュートのメリディアンという馬です。僕も早見さんと同じくロードホースクラブなんですけど(笑)。 早見:へぇ、そうなんだ。調教師は栗東の友道康夫さん。彼はホントに賢いですよね。いちばん好きな調教師かも。 TARO:そうそう。日本のトップ厩舎っていうのは決め手でしたね。早見さんは、今後大物になるだろうなって思っている馬はいます? 早見:ロードホースクラブにフェリスという母馬がいて、初年度のヘニーヒューズ産駒(=ロードレジェンド)に出資したんですけど、その馬はあまり走ってくれなくて。で、その翌年のフェリスの子どもも兄に輪をかけて馬体が良く見えて、ああ、これはすごいなと。 TARO:それで出資したわけですね? 早見:それが……(笑)。この馬、いきたいなぁと思ってたんですけど、兄がたいして走ってない以上、やっぱり日和って出資できなかったんですよ。その馬につけられた名前がロードマイウェイ。今年走る馬っていう意味では、いちばん注目しているかもしれません。 TARO:こないだ5連勝したあのロードマイウェイですか! それは痛恨ですね……(涙)。チャレンジカップでは、重賞初挑戦なのにも関わらず圧巻の差し切りを見せましたね。ロードマイウェイなら、今年の大阪杯を獲れるんじゃないですか。 早見:ジャスタウェイ産駒で、トニービンの3×4っていう血統は成長力がありそうだし、3歳でこれだけ走るなら、今年はますます脂が乗ってくるでしょうし……。本当に出資しておけばよかったと後悔してます(笑)。 TARO:今年はかなり飛躍に期待できそうですよね。僕が今後来ると思っている注目馬は、ちょっと覚えにくい名前なんですが、アヌラーダプラっていう馬です。2歳新馬戦、2歳1勝クラスで2連勝中。この馬は強いですよ。
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アヌラーダプラが秘めているのはセンス
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