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戦闘機の離発着見学が楽しいのは釣りと同じ?退役間近の「ファントム」たずねて百里基地

カーマニアが戦闘機見たさに百里基地へ! 前回はF15イーグルに続いて、お目当てのF4「ファントムII」(以下ファントム)も見れたけど……。今回は、百里基地戦闘機見学の続きです。  写真は撮れなかったが、ファントム戦闘機が連続して4機離陸する様を真下で見ることができ、初めての戦闘機ウォッチングはすでにかなり大満足。 「午前中はこれで終わりだね」  マニアのみなさまの間から、そのような声が聞こえたが、訓練のために離陸した機は、おそらく割合すぐに戻ってくるんじゃないか? よくわかりませんが。

茨城空港に展示されているファントムのハリボテ

 下調べによると、F4ファントムの最大航続距離は約3200kmだという。時速1000kmで飛んだとして、3時間で燃料切れになる。訓練なら巡航速度で淡々と飛ぶわけじゃなく、フル加速やらフル上昇やら、クルマでいうところの「サーキット全開アタック」のようなことをするだろう。当然燃費は悪くなる。リッター20km走るクルマでも、サーキット全開アタックではせいぜいリッター6kmだ。つまりファントムの場合、1時間くらいでしょうか?  誰かに聞いたのだが、ジェット戦闘機がアフターバーナーを焚いて全速力で飛ぶと、15分で燃料が半分になるとか。だから15分飛んだら戻ってこないとダメだとか。  ファントムの最高速度はマッハ2.2(マッハ1は時速1224km)。そんなに出さないとしても、時速2000kmで15分飛べば大阪まで行けてしまう。だから1時間くらいで戻ってくるんじゃないか。訓練でなにをしているかはサッパリ知らないが、このように想像を巡らせるのも楽しい。  とにもかくにもネット情報に従って、着陸が間近で見られるはずの滑走路の南側に移動することにする。

マニアいるところに絶好の見学ポイントあり!

 クルマを発進させると、マニアのみなさまも次々と移動を始めた。やはり滑走路南側へ行くようだ。百里基地正門前を過ぎ、田園地帯をのんびり進むと、パカッと開けた場所に出た。ネット情報にあった「自販機前ポイント」付近だ。ちゃんと先客がいるのですぐわかる。便利だなあ。

自販機前ポイント

 前方には滑走路への誘導灯が並び、その向こうにはフェンス。しかしその間にさえぎるものはなく、牧草地?のような空間が広がっている。ここって畑なんだろうか。  通常、東京近郊では、こういうところは勝手に入れない。ところがマニアのみなさまは、その牧草地みたいなところに点々と立っている。折り畳みベンチを出して座っている人もいる。立ち入り禁止とも書いてないし、どうやら入っていいらしい。ワーイ!  遠慮気味にずんずん進む。広々してなんて気持ちいいんだろう!

自販機前の広場に点在するマニア

 と、再び爆音が聞こえてきた。はるか向こうのほうで、ファントムがタキシングしている。さっきはシルバーの機体だったが、今度はダークグリーンだ。  予習によると、あれは偵察機型のRF4ファントム。このタイプは全世界的に現役機がレアなので、全世界のマニアがここ百里基地に見にくるとか。男子の本能としては偵察機より戦闘機のほうが好きだが、やっぱレアものは価値があるんですね。スーパーカーの世界と同じで。  2機のRFファントムが、ジェットサウンドを轟かせて離陸して行った。ただこの位置からだと離陸は遠く、豆粒ほどにしか見えない。

自販機前ポイントより偵察機型のRF4ファントム

 10時半頃。遠くからかすかな雷鳴のような音が聞こえてきた。帰ってきたか!? 東から南へ回り込んだ機は、次々と滑走路に滑り込んできた。  着陸時のファントムは、機首を斜め上に向け、まるでジェットエンジンでホバリングしているみたいに、ゆっくりと舞い降りてくる。そしてそのまま空母への着艦のように着陸する。さすが艦載機。ものすごくカッコいい。これを見たらもう民間の旅客機の着陸なんざ生温くて見てられん!

茨城空港に着陸するスカイマーク機。戦闘機見学の感動は、旅客機見学の比ではありませんでした

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気づいた戦闘機見学の心得
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