更新日:2023年05月18日 16:55
仕事

給与が上がらない日本。50代の貯蓄額もお寒い実態

給与の上がらない「安いニッポン」

明るい老後

’97年の実質賃金を100とした場合のグラフ。米国や英国など各先進国と比べ、唯一マイナスとなっている

 かつてのように年齢とともに給与が上昇し、十分な退職金が支給されるなら問題ないが、現実の日本人の賃金は真逆の状況だ。OECD(経済協力開発機構)加盟国の実質賃金の推移を見ると、時間あたりで見た日本人の賃金は過去21年間で8%強も減少しており、先進国中で唯一マイナスとなっている。経済評論家の加谷珪一氏は、その理由をこう分析する。 「日本経済そのものが成長していない。国民一人が生み出す付加価値を示す一人あたりGDPは、過去20年ほぼ横ばいであるのに対し、他の先進国はほぼ2倍になっている。海外の経済成長に合わせて輸入品の価格も上昇しているので、価値を生めない日本は当然、相対的に貧しくなります」
明るい老後

加谷珪一氏

 自らの価値を上げられず、困窮していく「安いニッポン」。それは成長していく若手やエリートを横目に、何の対策も施さず、ただおびえて貧しくなっていく中年サラリーマンの姿そのものだ。 【中原圭介氏】 経済アナリスト・経営アドバイザー。大手企業への助言を行う傍ら、執筆・セミナーで経営・経済教育にも力を入れる。近著に『定年消滅時代をどう生きるか』 【加谷珪一氏】 経済評論家。日経BP社、投資ファンド運用会社を経て独立。メディア連載、番組コメンテーターほか、億単位を運用する投資家の側面も。近著に『日本はもはや「後進国」』 <取材・文/週刊SPA!編集部、図版/ミューズグラフィック>
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