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元世界チャンピオン・竹原慎二、健康診断で発見できなかった「膀胱がん」

―[健康診断の真実]―

ステージ4からの生還

 日本人で初めてボクシングのミドル級世界王者となった竹原慎二氏が体に異変を感じたのは、今から8年前のことだ。
竹原慎二

竹原慎二

「’96年に網膜剝離でボクシングを引退してから毎年欠かさず、付き合いのあった医者のもとで健康診断や人間ドックを受けていて、悪いところは一度も見つからなかった。それが’12年頃、突然頻尿に襲われたんです。経験したことのない症状だったので、『おかしいな』と医者に相談し、検査を受けたら『膀胱炎』と診断されました」  だが、薬を飲んでも一向に症状が治まる気配はなく、むしろ次第に悪化していったという。 「尿の頻度も徐々に高まり、多いときは1時間に2~3回。さらにかなり激しい痛みも出てきた。それで改めて超音波検査、尿検査、血液検査を受けましたが、診断結果は変わらず。ただ、自分は医学に関しては“ど素人”。医者が嘘を言ったり、誤診したりするわけないと信じていたので、疑うことはありませんでした。現役時代から痛みを我慢することにある程度慣れてもいましたし……」  だが、その我慢強さが最悪の展開を招いてしまう。事態が急変したのは’13年の大晦日。 「いきなり真っ赤な血尿が出たんです。さすがに『これはヤバい!』と医者にすぐに相談に行きました。そして、年明けに紹介された病院で検査を受けると、診断結果は変わらず。漢方薬を処方されただけでした」  翌月、2度目の血尿。再び向かった病院で告げられたのは“膀胱がん”だった。 「ショックでしたが、医者からは『初期だから大丈夫』と言われ、ホッとしました。ところが、別の病院で精密検査をすると、5年生存率25%のステージ4と判明し、“余命1年の可能性”と“膀胱の全摘出”を宣告されました。奈落の底に突き落とされた気分で、頭の中はもう真っ白。『死ぬなら家で死にたい』と初めて女房の前で泣きました」 「独身だったら諦めていたかも」と振り返る竹原氏だが、家族の献身的な支えによって、膀胱全摘出と苦しい闘病生活の末に一命を取り留めた。 「健康診断の結果やひとりの医者だけを信じてはいけないですね。一番大切なのは自分の体調。おかしいと思ったら、我慢したら絶対にダメです」  健診で異常がなくとも、体に異変があれば、妄信してはいけない。 【竹原慎二】 ’89年、プロボクサーデビュー。’95年には日本人で初めてミドル級世界チャンピオンに。著書『見落とされた癌』(双葉社)では、膀胱癌ステージ4 から生還した物語を綴っている <取材・文/週刊SPA!編集部>
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