仕事

働き方改革で増加予想のフリーランス。報酬の支払い遅延に対応するサービスも誕生

 4月から「働き方改革関連法」が中小企業に対しても順次施行されていき、個人の特殊なスキルを活かしたフリーランスや副業の増加が見込まれているが、そこには「安定しない」というリスクが伴うのも事実。
副業イメージ

イメージ写真(画像出典:photoAC)

 フリーランスや中小事業者の資金繰りを支援する「yup株式会社」の代表取締役社長である阪井優氏は、「立場の弱いフリーランスの中には『報酬の遅延等に悩むケース』もある」と話す。

個人への支払いに3か月以上かかるケースも

――「yup株式会社」ではどんなサービスを提供しているんですか?
阪井優氏

阪井優氏

阪井優氏(以下、阪井):フリーランスの方は、納品後に取引先に請求書を送ってから実際に支払いを受けるまでに、3か月以上かかることがあります。分かりやすくいうとそれを立て替えて先払いするというサービスです。 ――クライアントから入金される前に、報酬を立て替えているんですね。そこの「信用」はどのように確認しているんですか? 阪井:フリーランスとその取引先の両方を見るんですが、フリーランスの方ですとSNSのアカウントを登録していただいて、弊社独自のアルゴリズムを設けて与信判断をしています。そちらで発信されているものを拝見し、まず実体があるのかというところから確認させていただいますね。審査は最短60分で完了することもあります。 ――60分はすごいですね。最近では副業OKな会社も増えてきていますが、登録数も増えている? 阪井:現在、およそ500人余りの方に登録いただいていますが、ありがたいことに、毎日数十人ずつ増えていってますね。金額としては、実際に登録のあった請求書がこの4か月(取材当時)でおよそ2億円ほどありました。 ――実際に、クライアントからの支払いが遅延することは多いものなのでしょうか? 阪井:そういったケースは何件か起きています。こういった場合、やはりフリーランスの方からは強く交渉できないので、督促は難しいということをよく聞きます。フリーランスにとって取引先は、お客様にあたるので強くは出れません。  また、どうしても立場上弱いので、請求した報酬の支払いが遅延していても請求しにくかったりとか、条件が一方的に決められてしまったり、当初予定していた報酬がもらえなかったりすることがあるようです。

利用者はエンジニアやライター、農家まで様々

――利用者はどんな職種の方なんですか?
フリーランス

利用業種の割合

阪井:多いのはエンジニアさんや映像系の方。あと、ライターの方も結構いらっしゃいます。他には、個人で農家をされている方もいらっしゃいます。従来のようにJAを通さずに、直接飲食店などに販売している方ですね。そういった方は、肥料や苗を購入するのに、弊社のサービスを使われています。 ――農家の方だと、先ほどのSNSでの発信で与信確認というのは、難しくないのでしょうか。 阪井:そういった方でSNSでの発信があまりアクティブでない方ですと、別で追加資料をお願いしたり、実際に畑やビニールハウスの写真などをいただいたりしています。幅広いケースに対応していきたいと思っていますね。 ――そもそも、なぜこの事業を始めようと思ったのでしょうか? 阪井:起業する前にいたのが、クレジットカードの決済サービスをやっている会社だったんですけれども、ユーザーさんから「売上が入るのが翌月になるので、そこをなんとかしてほしい」という声を度々聞いていまして、それをシンプルに解決したいという思いがきっかけです。  また、私は大学時代、町工場でアルバイトをしていました。すごく売り上げの高い会社なんですが、それでも毎月何千万円にものぼる仕入れを先にするという部分で、資金繰りに苦労しているのを見ていたというのが、大きな原体験にもなっていますね。フリーランスや中小企業にとって、このタイムラグはかなり辛いものがありますから。
次のページ
事務作業の代行も視野に?
1
2
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事