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自衛隊員は常に外国のスパイに狙われている。給料の安さにつけこみ…

その80 自衛隊の「機密漏洩」と「ノブレス・オブリージュ」

ソフトバンク元社員によるロシアスパイへの機密情報漏洩事件

スパイ

※写真はイメージです(以下、同)

 令和2年1月25日、ソフトバンク元社員が不正競争防止法違反で警視庁に逮捕されました。在日ロシア通商代表部の情報機関員に情報を渡した疑いがあるとのことです。平和で安全な日本では、諜報(インテリジェンス)を意識する人はあまりいないでしょう。外国の情報機関が日本国内で情報収集活動をしていることに驚く人もいたはずです。  主要メディアではほとんど報じられることはありませんでしたが、平和な国、日本のなかでも多数のスパイが日々諜報活動を行っています。外国の工作員は企業秘密を盗み、政治や世論をコントロールしようと活動していることは紛れもない事実です。ぜひこの機会に目を覚ましてほしいものです。

情報を入手するための協力者獲得の方法とは?

 さて、この会社員はなぜ社内の情報を不正に持ち出し、ロシアの情報機関員に手渡すことになったのでしょうか? そこに至るまでには周到な準備があったはずです。  諸外国の諜報活動に詳しい元自衛官は「この事件は協力者獲得のためのセオリーどおりの事件。情報機関では定番のやり口ですね」と教えてくれました。協力者獲得のセオリーとは以下のようなものです。 ①SNSに個人情報を書き込んでいる人から、ターゲットを内偵して情報収集したうえで接触。セミナーや展示会などで名刺交換、または居酒屋などで会話を盗み聞きして「いっしょに飲みましょう」と名刺交換 ②偶然を装って接触→ざっくばらんな雰囲気での飲み会(おごり)を繰り返す ③信頼関係が築けたら簡単な作業を依頼(社内の秘密性の低い資料を持ち出し) ④成功報酬を渡す ⑤資料の秘密度レベルアップと報酬のレベルアップ(ハニトラ等も) ⑥機密度の高い資料や情報を得たら恐喝→更にレベルアップ ⑦ハニートラップはその相手により最初から仕掛ける場合もあり  SNSに所属と本名を明記している要人たちは、趣味や食べ物の話、生活習慣をチェックされているかもしれません。情報源として内偵され狙われる危険があります。親しくなるための話題やコンタクト可能な行きつけの店等がそこから読み取れます。自分の書き込みをジーッと覗き込む工作員を想像するとゾッとしませんか? きゃあ怖い!  自衛官、警察などの公安職だけでなく、会社員もターゲットとなる事件が発覚したわけですから、誰もが個人情報の扱いに注意すべきなのは間違いありません。これはネットの常識ですが、無頓着な人も多いようです。あなたも狙われているかもしれませんよ?

ターゲットに設定されやすいのは「MICE」(ネズミ)

スパイ こうしたターゲットになりやすい「問題」を抱えている人のことを「内部脅威者」(インサイダー・スレッド)と呼びます。例えば、「会社の待遇や人事に不平不満が強い人」や「金銭問題を抱えている人」「異性にだらしない人」が情報機関に狙われます。また、人の要求に逆らえず簡単に妥協してしまう人も攻略が簡単です。また、共産主義や無政府主義といったイデオロギーを持っている人も狙われます。金(money)、信条(ideology)、良心(conscience)、エゴ(ego)の4つの要素を並べて、MICE(ネズミ=MOUSEの複数形)と呼びます。これらが重要なポイントとなります。  特定秘密情報保護法でも、秘密を取り扱う公務員を指定する段階で経済的状況を調べる規程を設けています。これは、金銭に困ってカネ欲しさから外国のエージェントになる危険を避けるための規程です。  日本では「公務員の給料は減らすべきで、増やすべきではない」という考えに支配されています。しかし、日本以外の国では「要職にある者はその報酬に見合った仕事を期待される」という考えが主流です。「財産、権力、社会的地位」を得るものには義務が伴い、難しく困難な職務を果たす者にはそれに見合った報酬を与えなければならないという感覚です。  その概念は、フランス語で「ノブレス・オブリージュ」と呼びます。情報機関の職員はその危険を伴う難しい職務に合わせて報酬も高いことが多いようです。しっかり報酬を受け取っている人はその仕事に誇りを持ち、その仕事を辞めることを考えなくなります。責任に見合った報酬を与えることで安全な情報管理が可能です。  自衛官の初任給が改定され任期制自衛官で14万2100円になりました。増額されましたが、増額前と増額後ではどちらがやる気になるかわかりますよね? 秘密情報保護の観点からも、俸給はさらに上げるべきです。
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