仕事

新型コロナで葬儀業界にも影響。葬儀のリモート化、ライブ配信も

 コロナウイルスの影響がさまざまな業界に及んでいる。日本最大級の葬儀ポータルサイト「いい葬儀」や「お別れ会プロデュース Story」などを運営する鎌倉新書は、全国の提携葬儀社128社と、直近2年半以内に葬儀を行った(携わった)経験のある40代以上の2000人へアンケート調査を実施。新型コロナウイルスが葬儀業界に与えている現状を取りまとめ、17日に発表した。
葬式

コロナウイルスの影響は、葬儀業界にも…(※画像はイメージです。以下同)

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、今もなおイベントの中止・延期が相次いでいるが、葬儀業界では現在、従業員のマスク着用の義務付けや、親族のみで執り行う小規模な葬儀が増加。約6割の葬儀社が「スタッフの消毒液使用」を義務付けるも、消毒液の入手困難になりつつある現状や、約9割の葬儀社が「参列者は減少した、または今後減少していく」と回答する実態などを紹介している。  今回は、コロナウイルスを機にもたらされた葬儀業界への影響について、同社の広報担当者に聞いた。

葬儀社からも「マスクや消毒液が入手困難」の声

 故人との最後のお別れの場として多数の参列者が集まる葬儀。タイミングが不明確なケースが多く、開催時期の延長が難しいという特殊な性質を持ち合わせており、参列者が100名を超える場合も決して珍しくない。  鎌倉新書が行ったアンケート調査では、直近1か月で葬儀に参列した人の感想として、「お別れをしたい気持ちもありつつ、大勢の人が集まる場所に行くことが不安」「入り口でアルコール消毒を受けた」「僧侶も読経後はマスクをしていた」「隣の人との席間隔が空いていた」「焼香後用に除菌効果のあるウェットシートが渡された」「妊婦のため参列に悩んだ」といった声が紹介され、多くの人が集まる葬儀での濃厚接触を心配する参列者が多いことがうかがえる。  焼香や香典返礼品の受け渡しなどの濃厚接触への予防策として、参列者が葬儀社に希望する対応1位は「会場入り口に消毒液を設置する」(59.8%)となっており、葬儀社の4割以上が「既に一部もしくは全てに対応している」と回答。しかし、「対応したいが、現実的に難しい」との回答も3割弱となっており、「現状は対応しているが、マスクや消毒液が入手困難のため、今後は対応が難しくなる可能性もある」との葬儀社の声も見受けられた。  また、新型コロナウイルスの感染拡大が明らかになり始めた直近1か月で、葬儀規模の縮小の相談を受けた割合について、半数以上の葬儀社が「全体の施行件数の1割以下」と回答したが、「葬儀は通常通り行ったが、法要が中止になった」「通夜振る舞いを控えたいといった相談を受けた」という声も挙がっているという。  遺族が家族葬を選択するケースも散見されるようで、一般葬が家族葬に、家族葬が直葬になど小規模プランに変更すると一般的に遺族の経済的負担・時間的負担は軽減される。  一方、訃報の知らせが葬儀の後になることで、訃報を知った知人・友人が遺族の自宅に弔問に訪れ、葬儀後で肉体的・精神的に疲労感があるなかでの対応などを考慮すると、かえって精神的負担が増す可能性もあるようだ。 「政府からの要請は『換気の悪い・大勢が介する・発声の多い場所に出向くことは避けること』となっており、喪主様や参列者の方も判断に迷うかと思います。アドバイスとしては葬儀社と密に打ち合わせを重ね、対策をしっかりと提案してくれるなど、安心・信頼できる葬儀社にお願いすること。参列者の方も斎場儀社の対応をしっかりと確認し、ご自身が納得した上で参列するか否かを決めましょう。  また、少しでも体調が悪い、気分が優れない場合は、参列をしないという判断も必要です。故人様は自分の葬儀で病気(コロナに限らず)が広まることは望んでいないと思います」  新型コロナウイルスの影響で葬儀の規模を縮小した場合、感染拡大が落ち着いた頃に改めてお別れの場を設けることも、遺族以外の人たちの気持ちの整理などの面で選択肢となるだろう。 「感染者急増や長期化など状況が今後さらに悪化しても、(火葬だけでも葬儀と解釈しますので)葬儀の中止や延期は現実的ではありません。ただし、葬儀後の会食をなくす相談はあると聞いていますので、火葬式を行い、後日お別れ会の開催を検討することはあるかと思います。  お別れ会は火葬がないのでスケジュールに余裕が持ちやすく、会自体の自由度も高い。じっくりと歓談することで悲しみや気持ちを整理できる上、様々なコミュニティの方が一堂に会することもあり、主催者や参加者が故人の知らなかった交友関係を知ることもできます」
次のページ
参列のリモート化・ライブ配信も手段のひとつ
1
2
Cxenseレコメンドウィジェット
おすすめ記事