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街金業者が見たコロナ恐慌。カネを貸した人と断った人、違いはどこに?

コロナ禍で悪質な融資ブローカーが急増!?

 政府がさまざまな助成・給付制度を打ち出しているなか、息を吹き返しているのがブローカーだ。社会保険労務士の村田淳氏は言う。 「厚労省管轄の助成金だけで80以上もあり、すべてを把握するのは難しい。ですから、助成金代行業というブローカー業態が成り立つんです。代行業者は、助成金の契約高が多ければ多いほど成功報酬が上がります。無理な助成金をクライアントに提案し、申請は社労士に丸投げという無責任なケースもあります」  一方、テツクル氏に融資希望者を連れてくるブローカーは、成功報酬として5%程度の“手数料”を取ることが多いそうだ。 「ウチが300万円貸したら15万円でしょ。でも、『キリのいい20万円で』と多く取ろうとするブローカーもいる。加えて、助成金が下りたら『ちょっと貸しておいてよ』と半分くらい持っていっちゃって、そのまま返さない人もいるんですよ」  怪しいブローカーに要注意!
街金業者が見たコロナ恐慌

書類も多く申請は煩雑だが……

平時のルールを破ってでも生き延びないと日本経済は死ぬ!

 日本の全企業数の99%を占めるのが中小零細企業で、雇用の7割を担っている。彼らの倒産や廃業が続くと経済・社会はどうなってしまうのか。経済ジャーナリストの須田慎一郎氏は言う。 「まず先に解雇されるのはパートやアルバイトでしょう。彼らは、社会保険に加入していないケースもある。失業保険も得られなければ、生活はすぐ破綻してしまう。すると、どうなるか。収入が途絶えると、個人消費が大きく落ち込み、大企業のモノが売れなくなる。すると、大企業は取引先への支払いを遅らせる、取引単価を下げるなどして中小零細に負担を押しつけるわけです。そうなると、中小零細の解雇はさらに進むことになる。つまり、負のスパイラルに陥っていくんです」  個人と企業がお互いに首を絞め合う状況だが、日本経済の破綻を防ぐにはどうしたらいいのだろうか。 「政府は経済を縮小させないよう108兆円の予算をつくって、経済対策を行っています。先日、タクシー会社が再雇用を前提に、失業保険で凌いでくれと乗務員を解雇しましたが、これは平時であればルール違反。でも、今は有事です。多少のルール違反は仕方ない。まずは生き延びることが最優先です」  危機を乗り越えることはできるか。 【須田慎一郎氏】 経済ジャーナリスト。政界や財界での豊富な人脈をもとに数々のスクープを連発。著書は『「階級格差」時代の資産防衛術』など多数 取材・文/中山美里(オフィスキング) 写真/時事通信社 取材協力/村田社会保険労務士事務所 ※週刊SPA!4月21日発売号より
フリーライター。性風俗、女性問題、金融犯罪などを中心に執筆。未婚で1児を出産後、結婚。3児の母。愛人に走る女性をルポした『副業愛人』など著書多数。女性のお金や生活事情に関するルポ、詐欺事件を多く扱う。性とお金に対する欲望と向き合う人間をフィールドワークし、取材執筆を続けている。日本プロダクション協会の監事も勤めている
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週刊SPA!4/28号(4/21発売)

表紙の人/ 菅田将暉

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