震災時のデマ配信者 逮捕の可能性も

地震発生時から始まり、今なお飛び交うデマの数々。枝野官房長官が記者会見で注意を促し、中国・韓国では検挙者も出る事態に発展している。今後、日本ではどうなるのか――

井上トシユキ氏

井上トシユキ氏

「今回のデマや風評の流布の背景にあるのは、有名人も含めた“ハシャギすぎ”です」

 そう語るのはITジャーナリストの井上トシユキ氏だ。

「特に、30~40代のユーザーにそれが顕著です。いい大人であるはずの彼らは、自分の子供のネット利用には神経を尖らせるくせに、ネット上の情報は玉石混交であることを忘れて悪ノリしていたとしか思えない。10代など若者のほうがよほど冷静に対処していたように見受けられました」

◆犯行予告書き込みとデマの本質は同じ

「流しているほうは、悪いことをしているという認識もない。脊髄反射なんでしょう。放射能についてのデマは数え切れないほど流れましたが、『国連に勤めている姉の友達の話で~』というものまでありました。情報の真偽を自分で確かめるくせをつけないと、詐欺などのカモになることも」(井上氏)

 中でも特に悪質なのは「コスモ石油のコンビナート爆発の影響で、黒い雨が降る」というチェーンメールや、「ポケモンクリエーターの田尻智、ハローキティのクリエーター・山口裕子が死亡した」というデマだと続ける。

「コスモ石油のケースのように、名指しで企業の悪評を流せば、業務に支障をきたしたり、株価が下がったりと、被害は甚大。また、個人の死亡情報は名誉毀損に問われてもおかしくありません」(同)

 被害届が受理され捜査対象となれば、「起訴されることだってあり得る」(同)という。

 実際に、「(自国にも)放射能が飛来する」というデマによって、韓国で3月17日、中国では21日に発信者が検挙されている。

「この状況下では、ささいなことが大パニックのトリガーになります。日本でも今年2月、中学3年の男子が新宿駅での無差別殺人をネット掲示板で予告して逮捕された例がある。今回のデマも、本質は同じです」(同)

 依然として拡散する一方のデマや風評。だが、その“悪ノリ”から、とんでもないしっぺ返しをくらうと肝に銘じるべきだ。

【井上トシユキ氏】
ジャーナリスト。IT、ネットを中心に時事、政治などを各メディアで論評。『ニコニコ厨会議』(ドワンゴ)、『ぴーかんテレビ』(東海テレビ)レギュラー

― デマ発信の不届き者は逮捕される【2】 ―




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