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テレワークで自己負担の経費、確定申告で取り戻せる? 税理士に聞く

確定申告は可能だが「ハードルが高い」制度

 では、実際に支出額の合計額の条件を満たし「特定支出控除」を適用した場合、お金の流れはどうなるのだろうか。年収500万円の会社員を例に教えてもらった。  まず、特定支出控除を適用する場合、支出の合計額が「72万円」を超える必要があるという(給与所得控除額の2分の1⇒72万円[※年収500万円の場合の給与所得控除額は144万円])。  仮に特定支出の合計が80万円あった場合は、「8万円」が特定支出控除として認められる(80万円-72万円=8万円)。  その際、確定申告による見込還付額はいくらになるのか。  年収500万円の単身者の所得税率は通常10%になるため、特定支出控除を適用して確定申告をした場合に還付される金額は「8000円」。 (ちなみに、年収1000万円の単身者の場合は、97.5万円超の支出が特定支出控除の適用対象になり、120万円の支出があった場合で4.5万円還付見込[※税率20%を想定]とのこと)  今回は年収500万円を例に答えてもらったが、竹村氏はこの制度について「ハードルが高いのではないか」と指摘する。 「在宅勤務になった場合でもかなり多額の出費がないと、そもそも支出額の条件に当てはまらない。また、現状では在宅勤務による支出が対象に明記されていないため、コロナ関連の経費に適用させるにはハードルが高い制度かもしれません」  実際のところ、72万円も出費がかさんでいる人はなかなかいないだろうから、現実的ではないということになる。  やはり在宅勤務に伴い「事業に関連して必要だった」ことを証明しながら会社に経費として出してもらえないかを打診するのが最も現実的かつ、早い対応だろう。<取材・文/松本果歩>
インタビュー・食レポ・レビュー記事・イベントレポートなどジャンルを問わず活動するフリーランスライター。コンビニを愛しすぎるあまり、OLから某コンビニ本部員となり店長を務めた経験あり。X(旧Twitter):@KA_HO_MA
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