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テレワークで自己負担の経費、確定申告で取り戻せる? 税理士に聞く

 新型コロナウイルスによる緊急事態宣言に伴い、在宅勤務(テレワーク)になったという人は少なくない。そんななか、「出費が増えた」との声もチラホラ。たとえば、リモート会議のためにカメラやマイクを購入しなければならなかったり、あるいは在宅時間が増えたことにより光熱費が増えたり……。
テレワーク

※写真はイメージです(以下同)

 こうした経費について、会社が負担してくれるわけではないことが多い。しかし時折、「会社員でも確定申告をすれば経費にすることができる」という話も耳にする。  そこで今回はコロナに伴う在宅勤務によって出費が増えてしまったという嘆きとともに、税理士にこれらの経費についてどうにかできないのかを聞いた。

ヘッドセット、椅子、飲食代…在宅勤務に伴う出費は意外と多い

 Twitter上で在宅勤務に伴う諸経費の増加についてエピソードを募集してみたところ、多くの声が寄せられた。「これまでも副業をしていたこともあり、環境は整っていた」という松下孝さん(33歳・仮名)は、「Web会議が増えたので良いイヤホンを新調しました。これまで使用していたマイクが微妙だったみたいで、音が荒れていると言われることもありました。ですが、AirPods Proに変えたら快適になりましたね! まぁ、自腹ですが……」  さらに、英語の通訳や授業の仕事をしている会社員の加藤奈々さん(35歳・仮名)も「主に授業はZoomを使用するようになり、自腹でヘッドホンセットを購入しましたね。さらに、自宅のパソコンの容量が限界になってしまい外付けハードディスクを購入しました」と、テレワークに伴う出費はやはり多い様子だ。  家族が多いと、家にいる人数が増えるため予想外の出費もある。主婦の倉田洋子さん(28歳・仮名)は「我が家は夫が3月から在宅勤務になり、2か月近く経とうとしています。やはり電気代、水道代、食費がかさみました。さらに子どもが2人いるのですが、なるべく静かに過ごさせるために、本やおもちゃなど新たに購入したりして思わぬ出費となっています」と嘆く。  ほかにも、多くの人から寄せられたのは「仕事中の飲食代」だ。「会社にはサーバーがあったのですが在宅勤務になったので飲料代は増えました」。さらに、「仕事中についついつまんでしまうお菓子やコーヒーも飲む回数が増えた」「子どもが家にいることでおやつが増えた」などなど。  倉田さんも「夫の会社からは特に電気代等の補助もないので、出ていくばかり。増えるのは出費のみです……」とため息をつく。会社によっては5万円~15万円もの「在宅勤務手当」が支給されたとも聞く。しかし、多くの会社ではそのような手当ては出ないことの方が多いだろう。  IT企業に勤務する篠塚真里さん(30歳・仮名)もWeb会議に備えかなりの出費があったと話す。 「椅子とビデオ会議用ライト、ヘッドセットを購入しました。先輩はディスプレイ、上司はHDMIケーブルを買ったと話していましたね。それぞれの仕事への気合いを入れる場所が異なるので、そのチョイスが面白いなと思いました。ただし、会社からの手当ては全く出ておりません。後から交渉したいと思っているので領収書などは保存しています!」

在宅勤務に伴う出費は会社に請求できる? 税理士に聞く

ヘッドセット そんな篠塚さんのように、領収書をとっておけば会社に経費として計上できるものはあるのだろうか? 公認会計士・税理士の資格を持ち、竹村淳一公認会計士事務所の代表を務める竹村淳一氏に聞いてみた。 「法人が経費として認められる支出としては、 原則として内容が事業に関連する支出である必要があります。事業で関連することが明確に示せる支出であれば、会社としては経費計上することができるため、会社に請求をしても良い支出となります」(竹村淳一氏、以下同)  しかし、なかなか「事業に関連する支出」かどうかは見極めが難しいのではないだろうか。 「そこで、個人で在宅勤務に伴い発生した経費を会社に請求できるかは①事業に関連した支出であるか、②予算や内容から会社が経費精算を認めてくれるか、の2つの観点から判断する必要があります。  原則としては内容が事業に関連する支出であれば会社としては経費計上することができるのですが、事業に関連する支出すべてを会社が経費精算を認めていると、事業の収益性を悪化させてしまう可能性がありますよね。そこで、予算の都合や内容等から、支出内容が事業に関連していても経費精算が認められないケースもあるということなのです」  実際、その見極めは会社の判断にもよるようだ。ちなみに、税理士としての観点から今回寄せられた「在宅勤務に伴う出費」について聞いてみると、以下の見解を示してくれた。 Web会議用のヘッドセット⇒今回の在宅勤務に伴い購入したものであることを示せば〇 外付けハードディスク⇒今回の在宅勤務に伴い購入したものであることを示せば〇 長時間座るための椅子⇒在宅勤務以外でも使用することが予想されるので△(×に近い) 光熱費⇒個人使用分と在宅勤務分の区分けができないので× お茶やコーヒー代、お菓子代⇒個人使用分と在宅勤務分の区分けができないので×
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会社員でも確定申告で経費を計上できるのか?
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