更新日:2020年05月18日 17:59
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小池都知事は合格点? 緊急事態の地方リーダーたちの評価は…

知事に負けず劣らず市長たちも活躍する

 このように巧みに陣頭指揮を執る知事がいる一方で、残念な知事もまた存在する。  東京都で外出自粛が求められていた3月末に「無症状の人は(東京から観光で)石川県にお越しいただければ」とまさに不要不急の発言をした石川県の谷本正憲知事の失言は際立つ。5月3日時点で、石川県の人口10万人あたりの感染者数は東京都に次いで全国2位。知事の危機感のなさが県民の命を危険に晒してしまったケースだ。
千葉県知事・森田健作氏

千葉県知事・森田健作氏

 また、民放の報道番組で「千葉県にはカネがない」と匙を投げた千葉県の森田健作知事も不評だ。 「東京に隣接する都市圏同士で、独自の医療モデルを提唱した神奈川県の黒岩祐治知事と比較してもこれといった対応ができていない。周辺都県の後追いばかりの対応で、もはや半周遅れ。昨年の台風災害の対応に続き、危機管理能力の低さを露呈しています」(鈴木氏)
神奈川県知事・黒岩祐治氏

神奈川県知事・黒岩祐治氏

 これと反対に存在感を増しているのが千葉市の熊谷俊人市長だ。 「クラスター化を名乗り出た事業者に100万円を支給するなど、感染拡大を防ぐ独自の対策を行っています」(たかまつ氏)  鈴木氏も市長たちの奮闘をこう評価する。 「休業店舗への補償を全国で初めて行った御殿場市の若林洋平市長の決断は素晴らしい。ほかにいち早く家賃補助を表明した熊本市の大西一史市長。特筆すべき点は性風俗店も補助の対象にしたことです。またゼロ歳~中学3年生の子供1人につき6万円の支給を発表した福井県勝山市の山岸正裕市長も挙げたい。知事より思い切った政策を実行する市長も多く出てきています」  町長も負けてはいない。  10万円の「特別定額給付金」を先月30日から先払いしている北海道東川町の松岡市郎町長を舛添氏は称える。 「地元の金融機関と協力して、一日でも早く必要な方にお金が渡る仕組みをつくったのは見事」  緊急時にこそ、国の舵取りを地方リーダーに任せてみては、どうだろうか。 【鈴木哲夫氏】 テレビ西日本報道部、日本BS放送報道局長などを経て、フリージャーナリストへ。『最後の小沢一郎』(オークラ出版)など著書多数 【たかまつなな氏】 お笑いジャーナリスト、時事YouTuber。「笑える!政治教育ショー」を行う笑下村塾の取締役を務める。著書に『政治の絵本』(弘文堂) 【舛添要一氏】 前東京都知事。’09年の新型インフルエンザ流行時には厚労相としてらつ腕を振るう。現在は執筆活動、コメンテーターなど幅広く活躍中 取材・文/沼澤典史・野中ツトム(清談社) 村田孔明(本誌) 写真/時事通信社
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