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自粛要請をムシし続けた居酒屋店主。闇営業バブルから一転、売上げ激減のワケとは

リバウンド需要に沸く飲食業界の影で……

居酒屋

写真はイメージ

 緊急事態宣言が解除され一か月が経過した。宣言中はアルコールの提供が自粛されたことで、飲食業界が悲鳴を上げたことは記憶に新しい。  宣言解除と同時に「リバウンド需要」とも言うべき現象が起き、飲食店には客足が戻り活気を取り戻し始めている。だが、その一方で宣言解除と同時に売上げが激減し、頭を抱える飲食店もあるという。

売上げが半減した居酒屋

 都内で居酒屋を経営するAさん(47歳)は「売上げは落ち続けて、8月、9月の半分くらいです」と肩を落とす。 「宣言中も自粛要請を無視して深夜1時までアルコールを提供して営業を続けました。自粛要請を無視した理由は協力金だけじゃやっていけなかったからです。商店街の多くの店は時短営業でアルコールも自粛して協力金をもらっていましたが、そういう店の多くは自宅兼店舗や小規模の飲食店で家賃や地代があまりかからないから、協力金をもらえばなんとかなったどころか儲かった店もあるくらい。  信用金庫や親からも借金したので、叩かれるのを覚悟で店を開けて酒を出しました。9月は特に売上げもよく、過去最高の売上げを出した日もありました。平日は17時オープンですが、17時から予約で終日埋まったという日もあったくらいです」  いうまでもなくAさんの店が大入り満員を記録したのは、自粛要請を無視してアルコールを深夜まで提供したからに他ならない。そんなAさんが打ちのめされたという宣言解除の10月1日を振り返る。 「宣言解除の日、10月1日は気合いが入りましたね。宣言解除、しかも金曜だったので、いつもより生ビールの樽や食材も多めに入れて準備しました。しかし、口開けで初めてのお客さんが来たのは18時すぎ。いつもならかかってくる『席空いてますか?』という電話もなし。  外に出て客引きをしてみたんですが、反応は悪く、よく来ていた常連さんが通りがかったので声を掛けると『宣言明けたから、行けなかったお店に今日は行くんだよね〜』と嬉しそうな顔でね……」  待ちに待った宣言解除の日の売上げは見るも無惨な数字だったという。宣言が解除されたら客足が戻る、これまで以上に客が来ると思っていただけに、Aさんのショックはかなりのものがあったという。
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地元でも悪評が……
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