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給付金の不正受給、転売ヤーetc. コロナで一儲けする新型“アングラビジネス”

不動産業界で跋扈する“ブツアゲ”の悪質手口とは?

 助成金や給付金以外でも、アングラビジネスが猛威を振るう業界がある。不動産業界もそのひとつだが、コロナ禍のマインドを悪用した手口は極めて悪質だ。不動産事情に精通するぼのぼのですよ氏は話す。 「ブツアゲといって、市場価格より格段に安い価格で物件を買い叩く手法があります。コロナで不動産を現金化したいニーズが出てきてますが、そこにつけ込む形で跋扈している。悪徳業者はまず、大手財閥系の不動産業者を騙り、わざと低い価格を提示して大家を惑わせます。  その後に自分の会社の名前で電話を入れ、先ほどより有利な条件を提示して錯覚させる。セールストークも嘘まみれ。『お宅の物件、もうすぐ管理費が上がりますよ』『コロナの死者出たのご存じですか? 売るなら早いほうがいいです』などと虚偽の情報で不安を煽るのです。メインターゲットは高齢者。アポが取れたら押しかけ、睡眠薬を飲ませて無理やり成約させるという、強盗まがいの犯行さえ耳にします」  新型コロナによる心理的不安につけ込んだ悪質なビジネスには、くれぐれも注意されたい。

SNSで募集される裏バイト。いったい何をやらされるのか?

新型“アングラビジネス”界隈の手口

裏バイトの募集人とのやりとり。朝方にもかかわらずレスポンスはよく、親身な雰囲気で接してくる。言葉巧みに犯罪行為に手を染めさせようとする印象しかなかった

 コロナ禍で進化するアングラビジネスだが、“加担する側”への間口も広くなっている。SNSでは勧誘が公然と行われており、Twitterには「闇仕事」「裏仕事」といったハッシュタグ付きの案件が大量に出てくるありさまだ。  記者が実際に連絡してみると、10件ほど当たって返信があったのは2つ。いずれも秘匿性が高いと言われる通信アプリ「Telegram」への移行を促された。そこで持ちかけられたのは、明らさまな犯罪行為だった。  一つはクレジットカードを用いた保険金詐欺。クレジットカードを海外で外国人に使わせて現金化し、不正利用されたと偽って保険金を得るというもの。曰く、「こうした詐欺は世の中に腐るほどあるから警察も動かない。“パーフェクト犯罪”だ」という。報酬は与信枠次第だが、取り分は経費の20%を除いた40%と持ちかけてくる。  もう一つは、身分証を偽装してキャリアで携帯を購入するというもの。身分証のスキャンデータを渡せば先方が加工し、別人として端末を契約。それで送られてきたiPhoneなどを現金化し、利益を分けるというスキームのようだ。2週間で7台契約できることもあり、取り分は売り上げの15%ほど。なにやら飛ばしの携帯電話づくりに加担させられている気がするが、持ちかけてきた業者に聞くと、こううそぶくのだった。 「ヤクザや半グレは頭が悪いから体を張ることしかできない。我々には頭がありますので」  聞けば、転売ヤーくずれや情報商材屋が流入してこうしたビジネスは回っているという。手出しは禁物だ。 【奥窪優木氏】 フリーライター。上智大学経済学部卒業、ニューヨーク市立大学中退。国内の社会問題から世界のゲテモノ食事情まで自らの興味の赴くままに取材 【ぼのぼのですよ氏】 不動産投資家。SNSやYouTubeで不動産にまつわる旬な情報を随時発信中。過激で独自のスタイルが人気を博す。Twitterは@bonobonodesuyo 取材・文/週刊SPA!編集部 ※週刊SPA!6月2日発売号より
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週刊SPA!6/9・16合併号(6/2発売)

表紙の人/ ZOC

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