ライフ

列車発着時しかホームに入れないモグラ駅、駅舎が傾いてみえる駅とは?

列車発着時以外はホーム立入禁止のトンネル駅

美佐島駅

美佐島駅

 また、橋上駅があればトンネル駅もある。北越急行ほくほく線の美佐島駅(新潟県十日町)は、全長約10.5キロの赤倉トンネルの途中に設けられた駅だ。  開業は1997年と比較的新しいが、土合駅(JR上越線。群馬県みなかみ町)、筒石駅(えちごトキめき鉄道ひすいライン。新潟県糸魚川市)と並ぶ「全国三大モグラ駅」として鉄道ファンに知られている。
美佐島駅

階段は短い

 ただし、ほかの2つのトンネル駅との違いは、ホームまでの階段の段数が65段と少ないこと(※土合駅462段、筒石駅290段)。それとトンネル内のホームには列車発着時以外は立入禁止という点だ。  ほくほく線は北陸新幹線が開通する前の首都圏と北陸を結ぶ主要路線。同路線を走っていた特急『はくたか』の最高速度は160キロで、当時の国内在来線の営業速度ではもっとも早い列車だった。
美佐島駅

封鎖中のホーム前の扉

 現在は特急の運行もなくなり、最高速度は130キロに抑えられているが、それでも列車通過時には台風上陸時のような強風が吹き荒れる。そのため、事故を防ぐ安全面への配慮から発着時以外は分厚い扉でホームを封鎖。無人駅だがカメラで確認されており、下車後2分以内でホームから出なければアナウンスで退出を促される。
美佐島駅

美佐島駅の駅舎

 筆者も到着前から準備し、ドアが開くなりダッシュでホームを移動しながら撮影。時間内にホームから出てアナウンスされずに済んだが、短い時間しか滞在できないため、その点ではほかのトンネル駅よりも貴重ともいえるだろう。
美佐島駅

畳敷きの駅待合室

 なお、地上の駅舎には畳敷きの広い待合室があり、どこか公民館っぽいが待ち時間を横になって過ごせるのはありがたい。そこも鉄道ファンたちから支持されているポイントのひとつになっている。  いずれも駅自体が観光スポットのような存在。今はまだ遠出を控えなければならないが、越県して自由に旅行できるようになったときの参考になれば幸いだ。<TEXT/高島昌俊>
フリーライター。鉄道や飛行機をはじめ、旅モノ全般に広く精通。3度の世界一周経験を持ち、これまで訪問した国は50か国以上。現在は東京と北海道で二拠点生活を送る。
1
2
おすすめ記事