仕事

クラスター発生の永寿総合病院、医師の挑戦「患者と家族に対してできること」

1000万円以上寄付「予想以上。世の中の期待に身が引き締まる」

――今月末で終了となりますが、既に1000万円以上の寄付が集まっています。   廣橋医師:開始わずか半日で、最初の目標金額(300万円)を達成することができました。既に1000万円以上のご寄付が集まりました。予想をはるかに超える寄付に、世の中からの期待の大きさに身が引き締まる思いです。来月から賛同してくれた全国の緩和ケア病棟にタブレット端末とテレビ面会をする上でのマニュアル書を配っていきたいと思います。さらに、緩和ケア病棟以外で終末期医療を行っている施設や、新型コロナウイルス感染症治療病棟での使用も検討しています。

面会制限長期化懸念「病院に行かなくても済む方法が普及する」

――面会制限はこの後もしばらく続くのでしょうか? 廣橋医師:コロナが小康状態になっても、年単位で終息はしないでしょう。おそらく面会制限は長期化します。病院にはできるだけ行かなくて済む方法が普及するでしょう。当院(永寿総合病院)でもオンライン診療の導入、特に緩和ケアの面談などでは活用していけたらと考えています。  在宅医療現場も厳しい環境です。私は在宅医療も行ってきましたが、感染防御の体制は貧弱ですし、介護事業者も辛い環境です。介護者の不在などで、仕方なく病院という事例が多いのも現実です。できるだけオンライン診療、在宅医療で診ることを大切にしながら、仕方ない状況のときスムーズに入院でき、面会ができなくてもWEBやVRなどで繋がれる。アフターコロナであっても、このテレビ電話面会というインフラが全国にあれば、以前とは違う世の中になる。そう考えています。 <取材・文/カイロ連>
新聞記者兼ライター。スター・ウォーズのキャラクターと、冬の必需品「ホッカイロ」をこよなく愛すことから命名。「今」話題になっていることを自分なりに深掘りします。裁判、LGBTや在日コリアンといったマイノリティ、貧困問題などに関心あります。Twitter:@hokkairo_ren
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