コロナで内定取り消しに絶望「何十社と受けて決まった一社だった」
―[コロナ解雇の衝撃]―
新型コロナウイルスの影響による解雇や雇い止めに齒止めがかからない。厚労省は6月5日、コロナ関連での解雇が2万人を超えたことを発表。今、労働市場では何が起きているのか? 今回は内定取り消しにあった当事者の声、そして専門家の分析とともに、コロナ解雇の最前線を追った。
「また就活する気力が湧かない……」内定取り消しは昨年の3倍超
「何十社と受けて決まった一社だった」非常な通告に絶望
▼榎本 隆さん(仮名・23歳)職種:旅行業/役職:新卒/失職理由:内定取り消し/年収:ゼロ
憧れていた旅行会社に内定するも入社延期の末に内定取り消し。第二新卒での採用を目指し就活中だが、旅行業の採用がなく絶望中
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今年4月から埼玉県の旅行代理店に入社するはずだった榎本隆さん(仮名・23歳)も社会人としての第一歩を絶たれたひとりだ。
「内定が出たのは昨年7月。昔から旅行が趣味で、憧れていた業界だったので大喜びでした。昨年10月には内定式も行われ、年末には同期5人と旅行にも行って、入社後の社会人生活を楽しみにしていたんですが……」
内定先の人事担当から電話があったのは、入社が半月後に迫った3月中旬。スーツやワイシャツ、仕事用のカバンを買いそろえた直後のことだった。
「『観光客減の影響を我が社も大きく受けているため、入社を6月1日に遅らせてほしい』という内容でした。観光客が減っているというニュースは僕も知っていたので、まぁ、仕方ないなと。ネットで調べるとほかにも入社が延期になっている企業が複数あったので、焦りはほとんどありませんでした」
何をするでもなく実家で自粛生活を送っていた榎本さんだが、GW明けに再びかかってきた電話で非情な現実を突きつけられる。
「コロナの影響で3月から客足がほぼ途切れていること、そのせいで現社員への給料を払うだけで精いっぱいであることを説明され、最後に『本当に申し訳ない』と内定取り消しを切り出されました。聞いた瞬間は全身の力が抜けたというか……。でも、怒りが湧くとか途方にくれるというより、人ひとりの人生って、社会情勢や運次第でこんなにもあっけなく左右されちゃうものなんだなって、生まれて初めて無力感を感じました」
社会人になる直前に社会の厳しさをまざまざと突きつけられた榎本さん。同期に連絡を取ると、みな同様に内定取り消しの連絡を受けていたという。
「何十社と受けてようやく決まった一社でした。来年度こそ入社するために就活を始めなければいけないことはわかってるんですが、またあのしんどい思いをするのかと思うと心がついていかなくて……」
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