仕事

コロナ下で就活する学生の悲痛な叫び「不安に押しつぶされそうです」

 新型コロナウイルスの影響による解雇や雇い止めに齒止めがかからない。厚労省は6月5日、コロナ関連での解雇が2万人を超えたことを発表。今、労働市場では何が起きているのか? 今回は就活中の学生たちの声から、コロナ解雇の最前線を追った。 コロナ解雇

採用中止にウェブ面接……就活学生の悲痛な叫び

 コロナによる打撃は、学生たちの就活状況にも影響を及ぼしている。ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は’21年度の新卒採用中止を発表。そのほかANAやスカイマークなどコロナによって業績を下げた大企業も相次いで採用を一時見送っている。 「第1志望だった企業も今年は採用ゼロ。『今年は諦める』とすでに就職浪人を決意している友人もいますが、来年もどうなることか……」  そう語るのは北九州市在住の大学4年生、似鳥美香さん(仮名・21歳)。コロナは採用状況だけでなく、就活の方法も大きく変えた。
コロナ解雇の衝撃

似鳥美香さん(仮名・21歳)

「2月以降、受けた企業での筆記試験と面接はすべてリモート。面接ではタイムラグがあって面接官の反応が読みづらいし、相手の電波状況が悪くなってうまく自己PRできなかったことも……。  それで落選の通知が来ると『リモートじゃなかったら、もっと思いを伝えられたのかな』ともどかしさが募るばかりです。不安を誰かと共有したいけど、大学もリモート授業で友達に会えないし、学内の就職支援センターも閉まったまま。『みんな同じ条件なんだから頑張ろう』と割り切っていますが……不安に押しつぶされそうです」  そんな過酷な状況でも、似鳥さんは「リモート面接ばかりなので東京や大阪に行く交通費が浮くのは地方在住者にとってメリットですかね」と頑張る気持ちを伝えてくれた。  東京商工会議所の調査によると中小企業の約8割で採用活動の中止や遅延などの影響が出ているという。就職氷河期の再来と言っても過言ではなさそうだ。 就職氷河期<取材・文/週刊SPA!編集部>
年収100万円で生きる-格差都市・東京の肉声-

この問題を「自己責任論」で片づけてもいいのか――!?
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