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専門家も想定外…RAV4もハリアーもよく売れているのはなぜ?

 コロナ禍で日本中が右往左往している中で完成し、4月1日から運用を開始している八ッ場(やんば)ダムをご存じでしょうか? ’52年(昭和27年)の計画発表後、長期にわたる反対運動が展開され、’15年(平成27年)にようやく着工。この3月に完成した重力式コンクリートダムです。そんな八ッ場ダムを、日本でいらないクルマから返り咲いたRAV4で訪問しました。
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TOYOTA RAV4

永福ランプ(清水草一)=文 Text by Shimizu Souichi 池之平昌信(流し撮り職人)=写真 Photographs by Ikenohira Masanobu

RAV4と八ッ場ダムが教えてくれた。世の中、どうなるかわからないってこと

 世の中、なにがどうなるかわからないもので、20年くらい前まで、ダムはムダな公共事業の代表とされていた。高速道路も。  高速道路のほうは、民営化議論の末に建設続行が決まり、「新東名は現代の戦艦大和」などと書き立てて、当時の大マスコミは、その決定を猛批判したが、今、新東名をムダだと言う者は1人もいない。  一方、ムダなダムとしてやり玉に挙がったのは、主に群馬県の八ッ場ダムと、熊本県の川辺川ダムだった。八ッ場のほうは民主党政権による事業中止→再開の結果、ついに今年完成。昨年の台風19号来襲の際は、たまたま実験貯水中でカラに近かったこともあり、利根川の氾濫を防いだとも言われる。  一方、建設が中止された川辺川ダムの球磨川(くまがわ)は、先日の大雨で大水害が発生した。  今回のトヨタRAV4も、サイズがデカくなりすぎたことで日本じゃ売れないと判断され、先代モデルは国内で販売されなかった。いわばムダなクルマだったわけですよ!  ところが、昨年新型を国内で売り出したところ、ビックリするほど売れている。今年はプラグインハイブリッドモデルが追加されたが、売れすぎて生産が追い付かず、すぐに受注中止になった。500万円前後もするのに!
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’94年に初代が登場したRAV4は、3代目までは国内で販売されたが4代目は国内モデルはなし。昨年発売された現行モデルは5代目になる。ガソリンモデルは265万6500円~、ハイブリッドモデルは326万1500円~

 さらにはRAV4をベースに、ゴージャス&エレガンスな内外装を施した新型ハリアーも発売。これまたよく売れている。RAV4と合計すれば、この6月は約9000台、プリウスの2倍も売れた! いったいナゼ!?
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RAV4の売れている理由を探るべく、八ッ場ダムに行ってみました
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1962年東京生まれ。慶大法卒。編集者を経てフリーライター。『そのフェラーリください!!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、『首都高速の謎』『高速道路の謎』などの著作で道路交通ジャーナリストとしても活動中

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