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コロナで大ダメージの風俗業界。低収入のサラリーマンが風俗に行ける時代は終わる?

 コロナの影響が深刻な風俗業界。もし働き盛りの10人に1人が失業者となるまで日本経済が悪化したら、風俗業界はどう変化するのだろうか。「風テラス」を運営するホワイトハンズ代表理事の坂爪真吾氏に聞いた。

失業率10%になったら…需給バランスが崩れ、中級以下の風俗は消滅

[失業率10%]の恐怖

コロナで風俗から客足が遠のいた昨今。すでに歌舞伎町などの繁華街では違法店や立ちんぼが以前より増えたとの声も聞かれる

 不特定多数との濃厚接触が避けられない風俗業界はコロナによるダメージがきわめて大きな業種のひとつ。「ここに失業率の増加がかけ合わされば、需給のバランスは完全に崩壊する」と分析するのは、風俗業界で働く女性の法律・生活相談を受ける「風テラス」を運営するホワイトハンズ代表理事の坂爪真吾氏だ。 「失業率の増加により風俗で働く女性は増えますが、風俗を利用できる男性は激減。上客のついた高級店以外は店の売り上げは立たず、風俗業界を希望する女性は増えても閉店する中級以下の店舗が続出して働き口がなくなります」
[失業率10%]の恐怖

坂爪真吾氏

風俗嬢を淘汰する負のスパイラル

 風俗の需要が減れば、店舗だけでなく風俗嬢を淘汰する負のスパイラルも拡大していく。 「数少ない顧客を風俗嬢が奪い合う形となり、客がつかない風俗嬢は地方へと出稼ぎに出ざるを得なくなります。そこで自身を安売りして月収10万円に届かないワーキングプア状態の風俗嬢が出るばかりか、今度は地方で稼げていた女性の仕事が奪われる。  店舗で稼げなくなった女性は、客と直接やりとりする“直引き”や違法な裏風俗店、果ては街頭で客を引く“立ちんぼ”になってしか食い扶持を得られなくなってしまう。こうした悪循環が全国に蔓延すると、裏風俗が横行するという酷い状況になることも考えられます」  さらに、裏風俗化が進めば深刻な問題も生まれてくる。 「管理の行き届いた店舗が減るため、性感染症やぼったくり、反社会勢力とのトラブルなどが頻発することが予測されます」  低収入のサラリーマンが気軽に風俗に行ける時代は、もう終わる。 【坂爪真吾氏】 一般社団法人ホワイトハンズ代表理事。新しい「性の公共」をつくるという理念のもと、社会的な切り口で現代の性問題の解決に取り組む。著書に『性風俗のいびつな現場』(筑摩書房)など <取材・文/週刊SPA!編集部>
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