鉄道業界の出世コースは「勤務する駅の規模」と「所属する労働組合」で決まる
40歳ともなれば、会社内におけるゴール地点が見えてくるもの。一生ヒラ社員か、役員クラスまで登り詰められるか――。その基準となる出世コースは各業界で異なる。2/16発売の週刊SPA!に掲載されている特集『業界別[出世する/しない]の分岐点』では、銀行、自動車、家電など各業界の内部関係者による告白をもとに、リアルな「出世のルール」を大調査しているのだが、ここでは「鉄道」業界について紹介しよう。
一般にはあまり知られていない鉄道業界の出世事情。JR東日本で働く水沢弘和さん(仮名・41歳)は「鉄道業界は典型的な年功序列型。出世コースだとしても昇進のスピードは決して早くない」と内情を明かす。
ただし、出世する社員の多くは20~30代のうちの数年、ある部署に在籍しているという。
「労働組合関連の部署です。鉄道会社によって名称は違いますが、JRだと勤労課。主に総務部内や人事部内に置かれていますね。でも、配属されるのは東大卒などの超エリート。入社時点で、役員候補まで行く出世コースの社員とそうでない者が明確に分かれています。もちろん、私は後者です」
大企業なら労働組合担当の部署は存在するが、これが出世コースとは鉄道業界特有と言えるだろう。
「国鉄時代の名残りから業界的に労働組合の力が非常に強いんです。会社の暗部ですが、組織の上に立つ人間はこれらを把握しておく必要がある。駅長を目指すような一般社員もどの労働組合に加入するかが出世のポイント。組合員数が圧倒的に多い主流の組合に加入しないと、出世の最低条件である指導主任試験に受かるのが難しいんです」
多くの社員の場合「定年までに駅長」が一つの目標になるのだが、その駅長にもランクがあり、駅の規模で出世コースも異なるという。
「ターミナル駅や乗降客数の多い駅ほど出世コース。JR東日本なら東京駅が最も格上で、次に支社のある大宮や仙台、高崎など9つの駅、それと上野、新宿、池袋、品川の4駅のターミナル駅の駅長が上位です。40歳までに助役が出世には必須なんですが、自分はまだ助役にもなれていません。出世コースから外れた自分は、このままだとどんな田舎駅に左遷させられるのかヒヤヒヤもの。JR東日本管内は広いですからね」
田舎駅でも駅長になれれば、年収800万円。鉄道を愛する気持ちに、駅の規模は関係ない!?
同特集ではほかにもざまざまな業界の「知られざる出世ルール」を多数掲載。人はいかにして出世コースに乗り、もしくは弾き出されるのか。ぜひともあなたのサラリーマン人生の参考にしていただきたい企画となっている。 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部 イラスト/神林ゆう>
勤務する駅の規模と所属の労働組合で出世が決まる!

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