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ネットカフェ難民の40代、タクシー会社の元正社員がAV男優になった悲劇

 コロナの影響で人間的な生活を営むために必要な“家”まで奪われる人が増えているという。若者であれば家族や周りの支援を受けることもできるだろう。しかし中年ともなると、周りに助けを求めることも難しい。家族や社会から見放され、年齢的にも巻き返しの難しい「家なき中年」は今、どうしているのか? その実態に迫った。
「家なき中年」衝撃ルポ

ネットカフェの前で、入店しようか迷う池内さん

タクシー会社のオペレーターからアダルト業界へ転向も…

▼池内周平さん(仮名)46歳・家なし歴2.5か月  日差しが照りつける上野駅近郊の喫茶店に池内周平さん(仮名・46歳)は現れた。彼の出身地は大阪。地元では実家に暮らし、タクシー会社のオペレーター職だった。 「正社員で年300万円近くもらえたのはよかったけど、一日18時間労働の2交代制で、休みもほとんどなかった。体を壊すのも時間の問題だと思いましたね」  自由のない日々に見切りをつけ、独身で身軽な池内さんが次に選んだ仕事がAV男優。8年前に現場の多い都内へと引っ越したが、男優だけで生計を立てられるのは一部の売れっ子のみ。 「男優のギャラは一本1000~1万円。でも、女優さんとからみのある男優は月に一度性病検査証明書を提出しないといけず、それが安くても9900円。現場が少ないと完全にマイナスです」
「家なき中年」衝撃ルポ

お金がないときは、外で寝るしかなく、スーパーの見切り品も買う余裕がない


コロナで撮影現場が激減。シェアハウスの家賃が払えず退去

 それでも、コロナ以前は治験などの副業と合わせて月10万円前後の収入があったが、緊急事態宣言後は現場が激減。副業も減り、手取りは6万円に満たなかった。月3万円のシェアハウスの家賃が払えなくなり、今年6月にとうとう家なき中年となった。 「今はネットカフェが主な寝床。食事は、閉店前のスーパーで半額弁当を3品以上買って、翌々日までそれで凌いでいます。本当にお金がないときはそれすらも難しく、夜は外で寝て、“朝食食べ放題”の時間帯だけネットカフェで過ごしてお腹を満たしていますね」  過酷な状況ながら、それでも仕事は楽しい、と池内さんは話す。 「でも最近はAVの撮影現場もソーシャルディスタンスに厳しくなっていて、面白みがないですよね。どうせ絡みのシーンでは密になるんだから、意味ないのになぁ……とか思いながら参加しています」  だが、撮影現場以上に3密なのが池内さんの暮らすネットカフェ。しかしいつその生活から脱することができるのか、先は見えない。
「家なき中年」衝撃ルポ

AV男優に転職してからは、ブラック企業時代よりも幸せだという池内さん。だがそれもコロナで下向きに

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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