伊藤沙莉、コンプレックスだったハスキーボイスが武器になった瞬間
『女王の教室』などで活躍した子役時代を経て、いまやどんな役にもリアルな表現で深みを与え、多くの作品に引っ張りだこな伊藤沙莉。一度聞いたら忘れられない特徴的な声は、“主人公の親友”や“職場の同僚”を演じたらピカイチのインパクトを残す。今年はテレビアニメ『映像研には手を出すな!』、ドラマ『いいね!光源氏くん』など声優・実写を問わず主演級の出演が続き八面六臂の大活躍。ところが、かつてはその声を“コンプレックス”に感じていたこともあったそうで――。
芸歴17年目、満を持して主演作が目白押しの彼女。最近では声の仕事でも注目を集める。
伊藤:大先輩の女優さんに『あなたの言葉に説得力があるのはその声のおかげよ』とアドバイスいただき。コンプレックスでもあったこの声を自分で認めてあげられるきっかけになりました。
とはいえ、コロナ禍の仕事環境にはやりにくさを感じる瞬間もあるとか。
伊藤:テスト撮影でフェイスシールドをつけて演技するとき、心の中のブラック沙莉は『表情が見えねえ!』と思ったりするのですが(笑)。本番に全力を取っておけるのは悪くないかな。
主演声優を務める『小さなバイキング ビッケ』は兄弟喧嘩がキーワード。先日まで同居していたお笑い芸人の兄、オズワルド伊藤俊介との兄妹関係は?
伊藤:引っ越しのとき、私が大切にしている食器をすぐ割っちゃうから、『物の扱いに気をつけてよ』と説教しました。たまに大ゲンカもしますが、年齢差もあって基本相手にされてない感じ。同居を解消して家事は楽になりましたが、寂しいです。ちょっとだけ(笑)
自身のラジオ番組では、リスナーからの悩み相談に答える姉御肌な一面も。
伊藤:あまりきれいごとは言わないですし、否定も肯定もしないです。『これがいいと思う』と断定すると反発を買うから(笑)。私自身の悩みは、語彙力が全然ないこと。もうちょっと言葉を知って、出演作品の魅力をみなさんに存分に伝えられるようになりたいですね。
愛嬌ある人柄と印象的な声を武器に、今後ますます活躍の場を広げそうだ。
【伊藤沙莉】
’97年、千葉県生まれ。10月2日公開の映画『小さなバイキング ビッケ』では、母を救うため大海原へ旅立つ海賊の息子・ビッケを演じる。セックスワーカーとして生きる女たちを描いた主演映画『タイトル、拒絶』(11月13日公開)や、『十二単を着た悪魔』(11月6日公開)、『ホテルローヤル』(11月13日公開)も控えている
撮影/尾藤能暢 ヘアメイク/弾塚 凌 スタイリスト/吉田あかね 取材・文/小西 麗 衣装協力/ヴェントリロクイスト/ドレスアンレーヴ(シャツ) ラナスワンズ(イヤリング) マノン(ベスト)
※週刊SPA!9月29日発売号より
兄と同居を解消して寂しいです。ちょっとだけ(笑)
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