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“親を捨てたい子”が増えている。老親の介護、葬儀は「面倒くさい」

家族代行ビジネスが活況

病室

写真はイメージです

 親は子が看取るもの――当たり前のことにも思えるが「老親の面倒を見たくない、葬儀の手配や手続きなんてまっぴらごめん」。そんな“子”が近年増えているという。人によっては、思わず顔をしかめてしまうような現象をあぶり出したのが『家族遺棄社会』(角川新書)。2015年から孤独死の現場を取材している著者の菅野久美子氏は「実感として、こうした“親の死を迷惑なもの”とする子は増えている」と語る。 「孤独死の男女比率は男性が8割で女性が2割と、圧倒的に男親が多いという実情があります。遺言状を作ったり葬儀の希望などを記す“終活”に励むのも女親のほうが多く、男親、特に妻に先立たれたり、離婚後の男性は生活が荒れたまま、孤立化していくことが多いです。  何年も何十年も“子”と音信不通になっていることから、『なんで今さらあの放蕩オヤジの面倒を』と子や親族から煙たがれるというケースがよく見られます。本でも触れましたが、介護から死までのラストランを引き受ける家族代行ビジネスが俄かに活況を呈していることからも、そうした状況がごく普通のものとなっていることがわかります」

日本の若者への調査では…

 その人の“最後の後始末”を、代理家族として引き受ける家族代行ビジネスはいわば“家族遺棄ビジネス”と本書で触れているが、関係性の希薄になった親を看取ることを「面倒くさい」とする依頼者側の本音も度々出てくるという。事実、2015年に高校生を対象に行なった調査(※)によると、「親が高齢となり、あなたが世話をすることになった場合、どのようにしますか」という質問に対して、以下のような統計結果が出ている。 ・どんなことをしてでも自分で親の世話をしたい 日本37.9% 米国51.9% 中国87.7% 韓国57.2% ・経済的な支援をするが、世話は家族や他人に頼みたい 日本 21.3% 米国19.3% 中国2.9% 韓国7.3% ※出所:国立青少年教育振興機構2015年「高校生の生活と意識に関する調査報告書 日米中韓比較
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人と人の関係性を築けているか?
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家族遺棄社会

子供を捨てる親、親と関わりをもちたくない子供。セルフネグレクトの末の孤独死。放置される遺骨…。孤立・孤独者1000万人の時代。リストラや病気など、ふとしたことでだれもが孤立へと追いやられる可能性がある。この問題を追い続けてきた第一人者が、ふつうの人が突然陥る「家族遺棄社会」の現実をリアルに取材。
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