更新日:2022年08月23日 15:37
ライフ

孤独死した人の遺骨はどこへ? 3万円の“超低額”墓地に申し込みが殺到

 亡くなっても誰からも発見されず、無残に虫の餌食になる痛ましい孤独死者数は、この10年間で3倍にも増加している。その中でも急速に増えているのが40代からの「団塊ジュニア」世代だ。
墓石

新宿区弁天町の南春寺境内にある永代供養墓「有縁塔」。遺骨は宅配便で送ってもいいそう

 そんななか、3万円で墓地への埋葬を行っているNPO法人「終の棲家なき遺骨を救う会」へ近年増えている依頼が、孤独死した親類の遺骨の引き取りだ。担当者は内情を明かす。 「埋葬の相談の約3割は、孤独死した方の親族の引き取り依頼です。依頼者は実の子や、甥や姪だったり。『血が繋がっているというだけで埋葬を押しつけられ困っている』という相談が毎日のようにあります。孤独死された方とは、生前にほとんど接触もなかった。住んでいたところもわからないのに、突然警察から連絡が来て、遺骨を引き取らされる。亡くなったことによって、初めてその方がどんな生活をしていたかを知ったという人も多いですね……」  そんな行き場のないお骨の最後の砦が「超低額の墓地」の存在だ。と言ってもお寺の場所は新宿区のど真ん中。宗派も不問ということで人気を集めている。  最近では、「身内も友達もいない。このままだと孤独死して迷惑を掛けてしまうから」と、生前に埋葬の契約を結ぶ単身者も多いと担当者は言う。 取材・文/菅野久美子 ― [中年の孤独死]が止まらない! ―
(かんの・くみこ)ノンフィクションライター。最新刊は『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人のリアル』(双葉社)等。東洋経済オンライン等で孤独死、性に関する記事を執筆中
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