更新日:2017年07月18日 13:05
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孤独死のほとんどが離婚後の中年男性。荒れ果てた単身生活の行く末

 亡くなっても誰からも発見されず、無残に虫の餌食になる痛ましい孤独死者数は、この10年間で3倍にも増加している。その中でも急速に増えているのが40代からの「団塊ジュニア」世代だ。今なぜ彼らは「孤独に死する」のか? その実態に迫る。

最も多い孤独死は離婚後の一人暮らし

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孤独死 大阪府に住む50代の男性は、死後3週間で床に突っ伏した状態で、近隣住民からの通報で発見された。20代前半で結婚し、妻、娘とともに家庭生活を送っていたが、40代半ばで離婚してからは妻子とは疎遠に。その最期は、もがくような姿で亡くなっていた。部屋には小豆のようなハエのサナギが床一面に散らばり、蛆が這い回る、あまりにも無残な状態だった。変わり果てた父親の末路に、遺体確認にきた娘は絶句していたという。そうした離婚男性の孤独死が近年多発していると、大阪で特殊清掃を営むダイウンの山本直嵩氏は証言する。 「離婚した男性は、引け目を感じてか、子供や元妻と連絡を取らなくなることが多い。自分の様子を心配してくれる人もおらず、万が一死ねば誰にも見つかることなく、遺体の腐敗は進行。遺族にも迷惑を掛けるケースが多いですね」  山本氏の現場では、孤独死のほとんどが離婚後、単身生活を余儀なくされた中年男性だという。彼らに共通しているのが、食生活の乱れと推察される現場の様子だ。 「例えば、カップ麺の空容器に汁が入ったまま大量に残されていたり、コンビニのお弁当が食べかけで床に投げ捨ててある。まるで、部屋がゴミ箱みたいな様子ですね。コンビニのチキンの骨が部屋の中に大量にあり、その骨に埋もれるように亡くなった人もいます」 孤独死 しかし、そんな悲惨な現場を訪れた遺族の反応は薄いという。 「現場を訪れた遺族が、故人の死を悲しんでいる姿をまだ一度も見たことがありません」(山本氏)  孤独死は、生前の人間関係を映す鏡なのかもしれない。 取材・文/菅野久美子 取材協力/ダイウン ― [中年の孤独死]が止まらない! ―
(かんの・くみこ)ノンフィクションライター。最新刊は『超孤独死社会 特殊清掃の現場をたどる』(毎日新聞出版)『孤独死大国 予備軍1000万人のリアル』(双葉社)等。東洋経済オンライン等で孤独死、性に関する記事を執筆中
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