経営者は『うまくいけばオレの手柄、失敗したらアイツのせい』と思っている?
―[爆笑[あり得ない言い訳]大賞]―
山本一郎氏が体験したムカつく[言い訳]
成功は自分のおかげ、失敗は他人のせい。これが経営者の基本姿勢
日々、言い訳が量産されているビジネスシーン。自身も経営者であり、経営者ウォッチャーの顔も持つ切込隊長こと山本一郎氏も、驚愕の言い訳に呆然とすることが多いという。
「私が携わるコンテンツ業界では、特に納期に気を使いますが、間に合わないことがわかっているのに、いたずらに引っ張るケースが多い。そして『今、送ったところです』と、ソバ屋の出前のような言い訳が横行するんです。以前、仕事を途中で放り出した会社が、『そもそも手に負えない仕事だった』と言い訳してましたが、ならもっと早く言えよと。ホント死ねですよ。海外の会社からは、『(商品を載せた)船が沈んだから間に合わない』という”大技”を見舞われたこともあったくらいです(笑)。まぁ、最終的には部門の責任者が来て、土下座、逆ギレ、泣く……の3パターンに落ち着きますが(苦笑)、個人や会社のプライドもあって、こういう残念なことになるんでしょうね」
こうした言い訳は山本氏の取引先に限った話ではない。日本を代表するような企業のトップも、時に愕然とするような言い訳をしているのだ。
「’01年、富士通の秋草直之社長(当時)は、業績の下方修正の理由を『働かない社員が悪い』と公言していた(笑)。報じた『週刊東洋経済』の記事がトバし気味だったのを差し引いても、”日本企業言い訳史”の金字塔と言っていい心に染み入るお言葉です。日本郵政の西川善文前社長も退任の記者会見で、『なんでそんなこと聞かれなくちゃいけないんだ!』と激高されてましたが、会見ってそういう場だし(笑)。基本、経営者は『うまくいけばオレの手柄、失敗したらアイツのせい』ですし、会社のステートメントは企業イメージを傷つけたくないので、どうしても当たり障りのないものになってしまうんです」
企業トップは謝らず、会社としても謝罪しにくい土壌があるのだ。では、山本氏自身はどんな言い訳を使うのだろうか。
「まず謝罪。解決案を提示して、誰かのせいにします(笑)」
【山本一郎】
イレギュラーアンドパートナーズ代表取締役。15歳から社長という人種をウォッチする経営者オタク。『ネットビジネスの終わり』(PHP研究所)ほか著書多数
― 爆笑[あり得ない言い訳]大賞【7】 ―
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