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2歳戦を制するものが馬券を制す 鈴木ショータの2歳馬通信簿

 6月に2歳新馬戦がスタートして、はや3ヶ月が経過した。以前の記事「来年のダービーに向けて始まるJRA新馬戦。狙うべき2歳馬のポイントを達人が解説」で取り上げた注目の2歳馬たちの現状を踏まえて、さらに秋競馬の2歳馬戦線を展望していく。次のレースでおいしい当たり馬券を届けてくれそうな馬、今後GⅠを勝ちそうな馬まで網羅しているので、ここで紹介した馬たちを覚えて、ぜひ秋競馬を満喫していただきたい。
鈴木ショータ

鈴木ショータ氏

九州のスターは今後も狙える!

 今や「九州産の星」として、多くのメディアでも取り上げられているのが、ヨカヨカ(父スクワートルスクワート、母ハニーダンサー、牝)だ。マイナーな九州での生産馬であることに加え、九州地方の方言で、『いいよ、いいよ』という由来であることも人気の秘密だ。  6月にデビューを果たし、現在3戦3勝と、その実力をいかんなく発揮している。新馬戦で記録した1.10.8というタイムは、同時期の稍重馬場の新馬戦としては、歴代3位の好タイムであった。1位の1.10.4カオスモス、2位の1.10.5マイネショコラーデは、ともに重賞で連対する活躍を見せており、ヨカヨカも今後、重賞戦線で活躍できることは約束されたようなものだ。

2歳戦開始時に鈴木ショータ氏も注目していたヨカヨカ。実際にひまわり賞も制し例年以上に注目の九州産馬だ

 実際に、新馬戦で2着に下したモントライゼは、次のレースで、後続に1.7秒もの大差をつける圧勝をしており、重賞の小倉2歳Sでも2着に好走。数字的に見ても、破った相手馬の活躍を見ても、今後の活躍を期待せずにはいられない。しばらく休養に入り、来春の桜花賞を目標に、調整が進められている。「九州産」という先入観は捨て、次走以降も積極的に馬券で狙っていっていいだろう。

敗因はハッキリ。むしろ狙い続けたいアスコルターレ

 アスコルターレ(父ドゥラメンテ、母アスコルティ、牡)は、右回りと軽い馬場なら、今後もおいしい馬券を取らせてくれる可能性が高い。  6月の新馬戦で、デビュー勝ち。ほぼ馬なりでの楽勝で、レースの上がり3F34.2秒は、2歳の新馬or未勝利戦としては、歴代最速のタイムで、まだ余裕があったことが感じられる。迎えた2戦目のダリア賞では、2番人気に推されるも5着と敗退。敗因は、初めての左回りと、重馬場だったと推測できる。  調教が行われる栗東トレセンは、通常右回りで、新馬戦も右回りの阪神を経験したことで、馬が右回りの走りを強く記憶したと考えられる。左回りのダリア賞では、直線は左側にヨレる走りで、ジョッキーが満足に追うことができなかったほどだ。  また、重馬場発表の通り、力の要るタフな馬場だったことも、敗因と考えられる。今年から産駒がデビューしたドゥラメンテ産駒はまだ68走しかしていないが、道悪のようなタフな馬場は苦手だと予想できる。  独自で、レース当日の馬場状態を記録しているのだが、ドゥラメンテ産駒は、「タフな馬場」と認定した日には、複勝率20.7%、複勝回収率36%と低い数値であった。それ以外の「平均~軽い馬場」だった日は、複勝率41.7%、複勝回収率105%! 複勝率が倍にアップするだけでなく、馬券的な破壊力も十分なのだ。  このデータからも、ドゥラメンテ産駒のアスコルターレは、道悪を苦手にしている可能性が高く、ダリア賞の敗戦は参考外としていいだろう。ダリア賞前には、デビュー前よりも優秀な坂路タイム53.4-37.8-24.5-11.9仕掛け(デビュー前53.6-38.1-24.4-12.1一杯に追う)を出していただけに、決して力負けではない。  血統的にも成長力がある一族で、おじのサトノルークスは、3歳秋になって、セントライト記念2着、菊花賞2着と重賞で穴をあけた。おばのタッチングスピーチも、3歳秋にローズSで重賞初勝利を挙げ、エリザベス女王杯でも3着に好走した。  アスコルターレも、まだまだ今後の成長が見込め、本格化を楽しみに声援を送りたい。
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デビュー前から話題だった馬はどうか
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元「競馬エイト」トラックマン(栗東担当)。学生時代には中央、地方を全場渡り歩き、フランス、香港、ドバイまで駆け回っていた、根っからの現地観戦好き。『競馬伝道師』として週刊大衆やモンドTV「競馬バトルロイヤル」などでも活躍している。

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