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50代に時給5000円の求人も。都会の会社員、“地方企業でリモート副業”が人気

―[副業解禁!]―
 副業といえばブログなど個人作業やウーバーイーツのようなスポットバイトを連想する人が多いだろう。しかし、新型コロナによる生活変化で「会社を掛け持ち」する人が増えている。正社員で働きながら、他社でも業務委託として働くのだ。今回の記事では、「副業×地方」の可能性について、地方企業と大都市の副業兼業人材のマッチングサービスを手掛ける「JOINS」代表の猪尾愛隆氏に取材した。

東京にいながら地方で働く?「副業×地方」の可能性

副業解禁!

イラスト/bambeam

 昨今、注目されているのが、「大都市の人材が地方企業で働く」という副業のスタイルだ。なぜ今、地方なのか。地方企業と大都市の副業兼業人材のマッチングサービスを手掛ける「JOINS」代表の猪尾愛隆氏に話を聞いた。 「当社の’20年9月末時点での登録者は3527人。これは1月の約3倍の数字です。登録者の多くは首都圏や大都市の会社員で、特に目立つのが、40代前後の大手IT企業人材と定年を控えた大手製造業の50代の社員ですね。また、受け入れを希望する地方企業も約6倍の243社と急増しています」

慢性的な人手不足を救う副業人材

 圧倒的な買い手市場ではあるものの、コロナ禍を経て地方企業での副業のニーズが高まっているのは間違いない。求人を出す企業の業態を見ても、機械・製造業から小売業、酒造会社、水産加工業、和菓子店など多彩なジャンルの企業が副業人材を募っている。 「日本のGDP比率を見ると、その6割を占めているのは地方です。また、全国で約360万社ある企業のうち、地方企業が約7割です」  まさに日本経済の屋台骨ともいえる地方企業だが、労働人口の減少により慢性的な人手不足状態に陥っているのは周知の通り。そこで一筋の光明となるのが、リモートで参加する副業人材なのだ。 「地方の中小企業には、『目先の業務に手いっぱいで、やりたくても手が回らない』という課題が山積しています。しかし新たに正社員を雇うには人件費が賄えないし、過疎地では条件に見合う人材がそもそも見つからないなど、ハードルが高い。一方、リモートでの副業なら首都圏の人材が参加できる。  極論ですが、僻地にある企業でグーグルの社員が働くことだってあるわけです。そういった『リモートU・Iターン』のような働き方が、徐々に広まりだしています」
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副業を地方移住のきっかけに使う人も
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