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「白メシ泥棒!」と叫びたくなる定食屋さん__ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

お店の人たちの無駄のない動きとチームワークにうっとり。私もその仲間に入りたい!

菱田屋

肉焼売(3個)¥650。もう何度も食べてるのに、蒸籠のふたを開けた瞬間、まるで初めてのように感動して思わず歓声を上げてしまう。挽き肉ではなく、肩ロースを粗く刻んでいるから肉汁がジュワーっ。玉ねぎの甘みと隠し味程度の砂糖がおいしさの秘密

 絶対はずせないメニューは、夜だけ登場する肉焼売。肉が皮からもりっとはみ出していて、とにかくジャンボ。弾力があって肉々しくて、ほんのり甘いのが、くー、たまらん。さらにはアゴ裏に衣が刺さるザクザクのアジフライも、逆にふわふわ衣の油淋鶏も、定食の付け合わせのスパゲッテイサラダも、あれもこれも食べたいものだらけで悩ましいけど、完全にオーダーを決めてから頼むのが暗黙の了解。  なぜなら、昼も夜もホント滅茶苦茶忙しいので、店の人たちの緊迫感が店じゅうに漂いまくってる。でも、いやだからこそ、動きに無駄がなく、あ・うんの呼吸での連携は完璧で、フォーメーションと呼びたくなるほどの美しいチームワークに、いつも惚れ惚れ。その調和を乱したくはないし、願わくば客である私も緊張感をもって、その美しいフォーメーションに組み込まれたいのよ。 構成/和田紀子 撮影/キッチンミノル
食と酒と旅をこよなく愛する編集者。雑誌などのメディアやTwitter、Instagramでレシピや美味しいお店を発信中。新刊『ツレヅレハナコの2素材で私つまみ』がKADOKAWAより好評発売中。他にも『女ひとりの夜つまみ』(幻冬舎)、『ツレヅレハナコの薬味づくしおつまみ帖』(PHP研究所)『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ!』(光文社)、『女ひとり、家を建てる』(河出書房新社)など著書多数。Twitter@turehana instagram@turehana1

ツレヅレハナコの旨いもの閻魔帳

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