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笠松競馬の騎手ら3億円超の所得隠しが、コロナであぶり出された裏事情

 先日、笠松競馬の騎手・調教師ら約20名が3億円超の所得隠しをしていたというニュースが全国紙各紙で報じられた。その中でも「約2億円は馬券を買っていて所得申告していなかった」という衝撃の内容が明らかにされ、大きな波紋を呼んだ。これは、関係者が馬券を買ってはいけないという競馬法29条に違反した行為である。その理由は言わずもがな、八百長につながる可能性があるからだ。
地方競馬

写真はイメージ

なぜ申告漏れ報道が先に出たのか

 今回は名古屋国税局の税務調査によって所得隠しが発覚した。もちろんこの件で発覚した内容には経費水増しの話もあるが、なぜ税務調査が入ったのであろうか。関係者に取材をすると、事の発端は昨年6月に遡るという。 「発端は、昨年6月あった岐阜県警による騎手や調教師に対する馬券購入の疑いへの捜索ですね。当該騎手や調教師は引退しましたが、捜査は続いていましたから、芋づる式に他からも出てきたというのが実態でしょう」(地方競馬関係者)  報道では、以前から内部情報をもとに親族に依頼して馬券を買って利益を出していたという証言もあったが、この1,2年で立て続けに発覚したのには、ある理由がある。

ネット投票で全ての証拠が白日の下に……

 それは笠松での引退騒動よりも前、2020年1月にボートレースで西川昌希元選手が逮捕された八百長事件である。彼もまた、親族に舟券を頼み、自らの着順を意図的に下げることで利益を得ていた。その調査で、すでに名古屋国税局はこのパターンでの調査に知見を得ていたわけだが、どうやら“脇の甘さ”が発覚を招いたと関係者たちは語る。 「こうした関係者が購入する手口は、昔は親族などに頼んで馬券やら舟券やらをレース場で買っていたと言われている。だからなかなか発覚しなかったのに、西川の関係者はネット投票で買っていたという。そんなのアシがつくに決まってるじゃないですか」(公営競技記者)  そうなのだ。ネット投票で買ってしまっていたからこそ、登録情報や銀行と紐付いた入出金履歴でバレバレだったのである。調べれば払い戻しの10円単位まで全部わかってしまうということだ。正直、インサイダーか八百長かはともかくとして、犯罪としてのレベルは低すぎる。  昨年6月の笠松での捜索から7か月、この期間中は、コロナによって公営競技界では無観客開催、すなわちネット投票でしか原則馬券を購入できない時期があった。実はこれが決定打になったという。 「ネットでしか馬券が買えない時期がありましたから、この時期に悪いレースをやっていたら購入額とレースの内容で状況証拠は揃いますね。もはや言い逃れはできないと思っています」(前述の公営競技記者)  八百長疑惑はコロナによって炙り出された……。なんとも皮肉な話だろう。
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