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ひきこもり女性46歳の事情「結婚したら母親の世話ができないと思った」

主婦の場合は見逃されやすい。女性のひきこもり事情

ひきこもり

根岸恭子さん(仮名・46歳)

 内閣府の調査で明らかになった61.3万人のうち4分の3が男性であったが、女性のひきこもりはどのような状況にあるのか。ひきこもる原因に男女差はないが、前出の深谷氏によると、やはり女性ならではのケースも散見されるという。 「主婦でも実質的にひきこもりに該当する人は多い。外出せず、家事をする以外自室から出ませんが、家事手伝いとされ見過ごされているのです」

介護からひきこもりに

 また根岸恭子さん(仮名・46歳)は精神疾患の母親を学生時代からサポートしてきた、いわば「ヤングケアラー」からひきこもりになった「介護型」だ。 「母子家庭で、30代の頃にようやく母の体調が落ち着いてきたので遠方に就職しましたが、母がまた調子を崩したので退職して帰郷しました。男性は結婚して奥さんに親の世話を手伝ってもらう人が多いですが、私はそういう発想になりませんでした」 「結婚したら母親の世話ができないと思った」と言う根岸さん、男女の意識の差も障害になりうるよう。  地元では再就職が難しく、現在は親子で生活保護を受けているという根岸さん。支援には、ジェンダーギャップも考慮されるべきかもしれない。 【NPO法人KHJ全国ひきこもり家族連合会・深谷守貞氏】 社会福祉士、ソーシャルワーカー。KHJにてひきこもり当事者と家族の支援を行う。同団体の分会「兄弟姉妹の会」を担当 【社会保険労務士・浜田裕也氏】 ファイナンシャルプランナー、「働けない子どものお金を考える会」メンバー。内閣府ひきこもり支援者読本の一部共同執筆に参画
浜田裕也氏

浜田裕也氏

<取材・文/週刊SPA!編集部>
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