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突然の地方移住。元DJの47歳主婦が語る「私が“山の上のパン屋”をはじめたワケ」

 世の中の価値観が激しく変化している昨今、人々の働き方も変化している。かつての「東京一極集中」から地方へ目を向け、移住や就業・起業する人も増えている。東京でWebデザイナーとして働き、夜になるとDJとして都内のクラブで活躍していた平田はる香さん(47歳・@wazawazapan)は、結婚後、夫の転勤で長野に引っ越すことに。
山の上のパン屋

パンと日用品の店「わざわざ」(著者写真提供)

 2009年9月から、子供の頃からの趣味だった料理のスキルを活かしたパンの移動販売やインターネットでの発信を開始。  創業から14年、一介の主婦が1人で始めた、パンと日用品の店「わざわざ」は、今や年商3億円の企業へと成長した。長野県東御市御牧原の山の上にあるパン屋に人が集まる理由とは? 発売即重版となった話題の著書『山の上のパン屋に人が集まるわけ』(サイボウズ式ブックス)より一部抜粋する。

偏りもヒエラルキーもない場所

 パン屋をやると決めてから、「どんな店にするか」という方向性を考えていました。まずは、敷居の低さもありながらも、だからといって雑然とした場所ではなく、気持ちのいい場所となりたい。当時はそれを「公園」と表現していました。  誰でも来てもいいし、誰が来てもおかしくない、そんな場所です。「パン」というものを選んだ理由の1つに、「とにかくお客様の層が幅広い」ということがあります。単価が低くて、毎日食べられるから、畑仕事を終えたおじいちゃんが軽トラに乗ってやってきたり、ハイヒールのお姉さんがベンツから降りてきたり、老若男女を問わず、いろんな人に買ってもらえます。  ですが、店を山の上ですることを決めたため、来店する敷居自体は高くなってしまいました。長野県の山の上という立地だけで、まず人を拒んでしまっています。だからこそ、立地以外はとことん敷居を低くして、あらゆるお客様に開いた場所でありたいなと思いました

オーガニック専門店からの影響

 そして「わざわざ来てくださってありがとうございます」という気持ちを込めて、「わざわざ」という名前をつけました。  もう1つの方向性は、「なるべくお客様にとって良い選択肢を提供したい」ということでした。初期に影響を受けたお店の1つに、オーガニックの専門店があります。  その方は、ご自分のお店を「環境負荷を軽減するための活動」という認識でやっていらっしゃるようでした。ここに来れば、体に良くないものは食べないようにできるとか、環境に負荷をかけない買い物ができるとか。
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体に良くて健康にもいいパン屋
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1976年生まれ。2009年長野県東御市の山の上に趣味であった日用品の収集とパンの製造を掛け合わせた店「わざわざ」を一人で開業する。段々とスタッフが増え2017年に株式会社わざわざ設立した。2019年東御市内に2店舗目となる喫茶/ギャラリー/本屋「問tou」を出店。2020年度で従業員20数名で年商3億3千万円を達成。2023年度に3,4店舗目となるコンビニ型店舗「わざマート」、体験型施設「よき生活研究所」を同市内に出店予定
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山の上のパン屋に人が集まるわけ

健やかに、年商3億円

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