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47歳主婦「山の上のパン屋」で年商3億円になった3つの理由。法人化した1年で売上倍増

 世の中の価値観が激しく変化している昨今、人々の働き方も変化している。かつての「東京一極集中」から地方へ目を向け、移住や就業・起業する人も増えている。東京でWebデザイナーとして働き、夜になるとDJとして都内のクラブで活躍していた平田はる香さん(47歳・@wazawazapan)は、結婚後、夫の転勤で長野に引っ越すことに。
山の上のパン屋

山の上のパン屋「わざわざ」のスタッフ(著者写真提供)

 2009年9月から、子供の頃からの趣味だった料理のスキルを活かしたパンの移動販売やインターネットでの発信を開始。  創業から14年、一介の主婦が1人で始めた、パンと日用品の店「わざわざ」は、今や年商3億円の企業へと成長した。長野県東御市御牧原の山の上にあるパン屋に人が集まる理由とは? 発売即重版となった話題の著書『山の上のパン屋に人が集まるわけ』(サイボウズ式ブックス)より一部抜粋する。

売上額倍増 その要因

「わざわざ」が法人化したときのことを書きたいと思います。  法人化したのは、2017年の3月です。2014年から2017年にかけては、「経営をしている」という感覚がやっと芽生えてきた頃でした。個人がやりたいことをやっているという形から、事業としてどうしていくべきかに変化していき、売上も急成長していったのです。  それまでは、お店を切り盛りしながら、そこで起こった問題解決のために経営を学んでいるという段階で、目的を持って経営の舵取りをしているというわけではありませんでした。

たくさんの経営本を読んでわかったこと

 ですがその時期から、自分の考えや思いはさておき、市場を見てニーズを把握したり、チェーン店に通ってどのような効率化が行われているのか観察したり、多くの経営本を読むようになったと記憶しています。  まだ経営者の友人が少なく、相談できる人がいなかったので、行き詰まるたびに本を開き、読んで感銘を受けたことを実践してみるということをひたすらやっていました。  たくさんの本を読んで、1つわかったことがありました。それは「わかるはずがない」ということです。どの本にも多くの成功体験が書いてありますが、手法もそれぞれで、人や場所や事業内容もそれぞれです。多くの本を読むうちに、「経営には正解がない」ということがまずわかりました。
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法人化してから売上は倍近くに
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1976年生まれ。2009年長野県東御市の山の上に趣味であった日用品の収集とパンの製造を掛け合わせた店「わざわざ」を一人で開業する。段々とスタッフが増え2017年に株式会社わざわざ設立した。2019年東御市内に2店舗目となる喫茶/ギャラリー/本屋「問tou」を出店。2020年度で従業員20数名で年商3億3千万円を達成。2023年度に3,4店舗目となるコンビニ型店舗「わざマート」、体験型施設「よき生活研究所」を同市内に出店予定
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山の上のパン屋に人が集まるわけ

健やかに、年商3億円

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