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倉庫バイトも「一週間続けばいいほう」。中高年ひきこもり問題が深刻化

昨今、40代以上のひきこもりが若年層よりも多いことが明らかになり、衝撃が走っている。それにより、80代の親が50代の子供を養う「8050問題」が勃発。しかも中年から突然ひきこもりになってしまう人が半数を超え、高年齢化が進んでいるひきこもりたちに今、何が起きているのか。ひきこもりと関わりながら仕事をする人々に話を聞いた。

ひきこもり当事者の経験から同じ人の支援で社会と接する

ひきこもり

モデル/秋月貴 撮影/アセティア

 青森県在住の下山洋雄さん(40歳)は、自身の経験を当事者向けに発信し、社会復帰に繋げる活動を行っている。  下山さんは幼少時から集団行動が苦手だった上、父親恐怖症や小学校時代に教師から受けた体罰のトラウマなどが重なり、中学1年から不登校のひきこもりになってしまった。現在も実家に暮らしながら有償相談や、当事者活動を精力的に行っている。  きっかけは、心のよりどころだった「いのちの電話」。スタッフから「不登校やひきこもりの経験は財産だから大切にして、同じような人たちやその家族の寄り添い人になってみてはどうか」と言われた。ひきこもり経験を肯定されたことが力となり、下山さんは断続的に社会復帰ができるようになった。

「ひきこもり経験も生きがいに繋がっていくのだと捉えてほしい」

 そして35歳から、本格的に自身の体験を行政に向けて発信開始。オンライン当事者会の開催や「ひき出るラジオ」のパーソナリティとして、ひきこもりの人々の悩みに寄り添い続けている。 「私自身もまだまだ心が揺れ動いてはいるのですが、逆にそれが相手に親近感を与えるようです。会った瞬間に『同じにおいがする』と言われることもしばしばです(笑)。ひきこもっている人がSOSを出しても、それをキャッチする人がまだまだ足りない。その一助になればという思いでやっています」  下山さんは、社会がひきこもりをネガティブに捉えていることに危機感を持っているという。 「私のように、ひきこもり経験も生きがいに繋がっていくのだと捉えてほしいですね」  下山さんもまた、ひきこもりをアイデンティティの一部にして生きる、新しいタイプといえるかもしれない。
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倉庫バイトがひきこもり脱出の一歩に?
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