ライフ

通学中の電車で突然「若者は外に出るな」マスク警察の恐怖

若者というだけで…

マスク 現在大学生の上川もかさん(仮名・20代)は、通学途中に「自粛警察」から怒鳴られたことがある。昨年春から緊急事態宣言の影響でオンライン講義だったが、秋からは対面授業も始まったという。 「私は電車の中で座っていました。講義が3限目からだったので、通勤ラッシュにもかぶらず、ゆっくり座ることができたんです」  その時間帯は人が少なかったという。しかし、大学の最寄駅の数駅前で機嫌が悪そうな中年男性が乗車してきた。 「私の姿を見るなり、『若者は外に出るな!』と叫ばれました。びっくりしたのと同時に、無性に腹が立ってきて。つい反論してしまいました」  川上さんは、その男性が自分を棚に上げながら他人はダメ、といった態度に腹が立ったと話す。 「私は大学に通うために電車に乗っているだけで、不要不急じゃありませんと言いました。すると、相手の感情を逆撫でしてしまったようで、さらに捲し立ててきたんです。『そんなことは知らない』と何度も言われたような気がします」

何を言っても「お前が悪い」「外に出るな」「若者のくせに」

 まわりの乗客は見て見ぬフリだった。憤りを感じていたが、男性はますますエスカレートしていく。 「おじさんは、私が何を言っても『お前が悪い』『外に出るな』『若者のくせに』と繰り返すので、その勢いに押されて泣きそうになりました。もう我慢できず、授業に遅れることは分かっていましたが、電車を降りてしまいました。若者というだけで迫害されたのは初めてのことで驚きました」  川上さんが悔しそうに続ける。 「怖さから泣いていたことで、その日は学校に行くことができませんでした。お互いにマスクをしていましたが、大声で話しているおじさんを見ていると、飛沫が飛んでいるように感じて気持ち悪かったです」  感染予防に気を付けることは当然だが、だからといって、他人に度を超えた恐怖を与えることはどうかと思う。<取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ